花粉形質転換技術(PTS)の商業化に関して最終的な合意
PRニュースワイヤ
2001年1月26日
ミズーリ州スコット発
(抄訳)
デルタ・アンド・パイン・ランド・カンパニー(以下 DLP)は本日、アメリカ農務省農業研究サービス(ARS)と、ARSが持っている花粉形質転換技術(PTS)の商業化に関して最終的な合意に達した、と発表した。この、農務省が持っている特許技術(1999年7月)は1996年にDLPが農務省の研究機関とサインを取り交わした協同研究開発の成果である。この合意で同社が独占的に各種作物に対してこの技術を使う権利を得た事になる。
DLPはこの技術を出来るだけ幅広く適用する予定である。
「この技術を今後幅広い作物に応用し遺伝的改良の扉を開ける事に農務省と合意出来たことは大変嬉しい」と同社のCEOであり、副社長でもあるMurry Robinsonは云った。
DLP社の副社長Dr.HarryCollinsによれば、この技術は遺伝的形質を多くの生物種に挿入するのに使うことができる。「PTSは遺伝子組み換えをいっそう効率的にし、コスト削減と開発期間短縮をもたらすだろう」現在の遺伝子組み換え技術は、遺伝子を導入した単一細胞の培養から始め、一個の植物体まで育てなければならないので、時間もかかり複雑な操作も必要である。ところが、この技術を使えば、固形培地上に培養した花粉に遺伝子を挿入し、形質転換した花粉で目的の花を受粉させるので、その花の種子が遺伝子を組み換えた種を作ることになる。
「この技術は大変効率的なので、穀類、豆類、牧草、蜜柑類、野菜など主要な植物や果物などあらゆるタイプの経済的に重要な作物の遺伝子を組み換えることが出来る。これらの多くはコストの問題や技術的壁のために今は遺伝子組み換えが行われていないが」
Robinsonはこの技術が世界中で利用され「これまで遺伝子組み換えの開発にコストがかかって、開発費用を回収できそうな国でしか行われてこなかったが、PTSは遺伝子組み換えをより経済的で全ての農家にバイテクの恩恵を与えるチャンスを作るだろう。その結果、発展した国も開発途上国もこのおかげで利益を得ることが出来るだろう」と説明した。
DLP社は商業的育種会社で、綿の種子の製造販売を行っている。8つの州に事務所を持ち、数カ国に研究施設を持っている。同社は、大豆の種子の製造販売も行っている。
(訳注:アメリカ農務省USDAのPTS技術特許はUS5929300: Pollen-based transformation system using solid medium. で見ることが出来る)