音羽町9月議会
 一般質問
遺伝子組み換え稲について(抜粋)

H14.9.12

質問:
松田 礼次 議員
答弁:
堀内 産業課長
宇津野 武 町長

 かつて、音羽では、きれいな水と周囲を山に囲まれ昼夜の温度差を利用して、すし米を栽培しておりました。その素地をいかして銘柄(商標)としの音羽米を成功させました。

 現在、県下の減農薬栽培のモデル地域ともなっておりますが、今後は、無農薬栽培の米つくりに研究会として取り組みたいと言っております。

 一方、昭和31年に福井県農業試験場で生まれた、甘みや粘りのある美味しい米、既に、伝統育種となっているコシヒカリなどの在来種に対して、遺伝子組み換え稲が行われております。

 平成9年度から、産学官連携試験研究の一環として、「除草剤耐性稲品種の育成と直播き栽培体制への適用技術開発」を研究課題として、1年契約(更新している)でわが国でただ1か所、愛知県長久手町にある愛知県農業総合試験場(愛知農試)でアメリカの巨大多国籍化学企業(多国籍農薬企業)モンサント社との共同開発による遺伝子組み換え稲「祭り晴」が、すでに、農試の一般圃場で農薬散布比較実験中です。

 昨年5月、すでに農水省は、「祭り晴」の環境安全性評価を終え、環境安全性の確認を受けて一般圃場への作付けを許可しており、現在、商品化に向けて遺伝特性(種)固定化など研究は終盤を迎えています。

 遺伝子組み換え稲「祭り晴」は、除草剤ラウンドアップ耐性稲として稲作の省力化・低コスト化の決め手として、乾田に直播して除草剤ラウンドアップを使用して栽培するものです。
注:
除草剤耐性作物として、大豆・トウモロコシ・ナタネ・綿・ジャカイモ・テンサイ(砂糖)の6品目が商業栽培を許可されている。

 この遺伝子組み換え稲の実験・商品化について、「ストップ!遺伝子組み換えイネ」のうねりが高まっております。
 その理由は、
栽培時の花粉の飛散による在来種との交雑
食の安全性即ち健康被害(アレルギー・脳・内臓臓の発達障害・肝臓重量低下)
ラウンドアップに発癌の危険性(注、アメリカで論文発表)
自然生態系に影響大
流通段階での問題
などであります。
 この問題について、去る、6月の県議会で豊橋から出ている、かしわぐま光代県議の実験は中止すぺきだとの質問に県は、「食料の安定供給に必要な研究だ。しかし、安全性については十分に配慮が必要だ」旨の答弁をしております。

 しかし、全国の米つくり農家や消費者からは、強烈な反対運動が起こっております。

 去る、7月6日には、名古屋で、ストップ!遺伝子組み換えイネ全国集会に約800人が結集して集会・デモが行われ、反対署名32万3097筆を県に提出しました。
 音羽からも私を含めて、音羽米研究会その他の方約30人が参加しました。

 以上を踏まえ、音羽米並びに遺伝子組み換え稲について、以下についてお伺いいたします。

@
実験栽培・商品化の動向をどのように考えておられるかお伺いします。
農業行政にとっては、良質で安全な食糧を安定的に供給することは重要な施策であり地球規模での食糧問題や今日変動など解決が困難な問題に対処の手法として、調査研究は、意義があると思う。と言っても、米は主食であり、食文化の代表的なものですので安全性には十分に配慮が必要。環境への安全にも配慮した技術改革を望む。
商品化については、生産者への影響が懸念されるので、動向に注目しながら、情報を聴取し、生産者・消費者へ情報をお知らせしたい。
A
8月28日付けで音羽米研究会町長宛に要望書が出されております。要望書は、商品化に連なる遺伝子組み換え稲の実験の中止を国・県に要望してほしいと言うものであります。
どのように対応されたのかお伺いいたします。
県に問い合せた所、研究の初期の目的は達成しつつあり、研究は終息に向かっている。商品化については、慎重に判断したいとのこと。
 さらに、詳しい情報を得て、音羽米研究会に回答したい
なぜ、町から、県・国に、要望書をだせないのか。本音で答弁してほしい。また、音羽米研究会への回答はいつ頃されるのか。
同じ行政機関の立場で、言葉に出ない難しいところがある・・」「回答は、9月議会が済んでから、県の方や試験場の方によく内容をお聞きしてから、回答したい

町長に二つお伺いします。
@
文書で、県・国に要望書が出せないのなら、反対の生の声を県に伝えて欲しいと思いまますがその考えはあるか。
A
議会をみて、町の農業問題や遺伝子組み換え稲などについて、音羽米研究会その他の方と町長の言う行政の対話の機会を持つ考えはあるか。
答え
@
反対の生の声について
中止と言う難しい言葉は使えないが、状況判断をしながら、こういう声(注、反対)が、大いにあるよ、と言うことは私からも伝えます・・・。
A
対話について
・・・要望が強ければ、機会を持ってもよい・・・。

中日新聞東三河版『議会だより』(中日記者傍聴取材)
「県農業試験場で実験の進む遺伝子組み換え稲は商品化されると組み換え汚染の恐れ」
「研究開発は必要と考えるが、そうした(心配する)声があること県に伝えていく