15/10/04
その2
今回の抜取隊では、西尾市・中部水生昆虫研究会の伴幸成さんに顕微鏡をご持参いただき、正常なセイヨウナタネと雑種?ナタネの花芯を比較観察しました。
ナタネの花の花粉観察

西尾市・伴幸成さんに顕微鏡による観察をお願いしました

雑種?ナタネの花芯。雄蕊の葯は扁平で花粉が詰っていない

正常なセイヨウナタネの花芯。雄蕊の葯が膨らんでいて花粉が散っている
上、二枚の顕微鏡写真参照。左は雑種?で、花芯に花粉が見当たりません。右の写真(セイヨウナタネ)では、たっぷりの花粉が確認できます。

アブラナ科の雑種では、ごくありふれた現象のようです。ゲノム()の異なる植物間の雑種では、減数分裂()がうまく行われないため、特に雄性配偶子(花粉)が不稔になりやすいからだそうです。なお、頻度は低いものの、非還元雄性配偶子(減数分裂をせずにできた花粉で受精能力がある)が形成されることがあります。この場合、雌性配偶子(めしべ)も不稔が多いものの、非還元雌性配偶子(減数分裂をせずにできた卵子)に非還元性雄性配偶子が到達すれば受精結実する可能性があるそうです(下中央写真参照)。
ゲノム:
遺伝子(gene)と染色体(chromosome)から合成された言葉で、DNAのすべての遺伝情報のこと
減数分裂:
精子や卵子などの生殖細胞には、通常の体細胞(2n)の半数(n)しか染色体がありません。生殖細胞ができる過程で染色体の半減がおこるため、これを減数分裂といいます。精子と卵子が合体すると受精卵は本来の染色体数(2n)となり、親から子へと遺伝情報が受け継がれる

参加者も興味津々

第11回抜取隊の雑種サンプル(B4-2)
種の入った鞘が1個だけできている

会場での集計結果

さらに、参加者のみなさまに、GMセイヨウナタネの自生について理解を深めていただけるよう、河田昌東さんのミニ講演『広がる遺伝子汚染とその課題』を行いました。
河田昌東さんによるミニ講義

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