愛知県・三重県への
セイヨウナタネのこぼれ落ちによる
   GM汚染拡散防止対策についての申入れ
10/09/22
私たち遺伝子組み換え食品を考える中部の会は9月22日、愛知県と三重県に対し、名古屋港周辺と四日市港周辺で進行しつつあるセイヨウナタネによるGM汚染の拡散防止対策を求める申入れを行いました。

遺伝子組み換え食品を考える中部の会では2004年より名古屋港と三重県四日市港のGMセイヨウナタネ調査を開始。また06年よりその拡散を防ぐための抜取り駆除作業を行ってきました。4年間のその活動では、一般市民の協力を募っての計7回に及ぶ『GMナタネ抜取隊』も行ってきました。参加者の合計はざっと延べ700名以上にのぼります。また関連企業による駆除活動を加えれば、裕に延べ1000名を越します。

しかしながらその6年間の効果は決してあがっているといえるものではありません。とくに留意すべき点は次のとおり。

毎回の『抜取隊』で駆除されるセイヨウナタネの数が減らない(輸送トラックの改善はなされているものの、既に自生しているナタネが世代交代を繰り返している)
交雑種が次々と確認され、とうとう雑草との交雑にまでおよんでいる
実際はGM陽性でも、簡易検査では確認がむつかしい例が増えつつある
新たなGM汚染ルートが次々確認されている


愛知県への申入れ

対応は小川悦雄副知事。中部の会の申入れに対し、「現行ではGMセイヨウナタネが環境に対して重要な影響をおよぼすという国による見解があるわけではない。しかしながら何らかの問題が発生しないとも限らない。自生セイヨウナタネについて、情報収集をおこなったうえで対処をしたい。

なお、GM汚染ルートが愛知県と三重県をまたがっているため、今後三重県とも連絡を取ってゆきたい」。

なお、小川副知事のほかに伊藤勝至環境部技監、石田晴子環境部自然環境課長、かしわぐま光代県議の同席をいただきました。

小川副知事に申入書を手渡す河田昌東


三重県への申入れ

対応は辰己清和環境森林部長。中部の会の申入れに対し、「愛知県では三重県との連絡を取り合いながらとのことなので、三重県としてもその形で対応してゆきたい」。との答弁をいただきました。

また農水商工部からは、「菜花は昔から三重県の伝統野菜であり、大切に守ってきた植物だ。特に最近は種子の採取、保存には交雑が起こらないよう苦労している」とのコメントも。

ほかに尾崎重徳森林環境部自然環境室長、後藤建治農水商工部農畜産室農産振興グループ副参事兼副室長、小西肇農水商工部農畜産室園芸特産振興グループ副室長、中村進一県議、水谷正美県議の同席をいただきました。

なお別室にて、三谷哲央県議会議長との会見を得ることができ、申入れの内容について報告させていただきました。

辰己清和環境森林部長に申入書を手渡す斎藤まこと(中央は中村進一県議)


中部の会として、行政への報告、申入れなどの行動は今回がはじめてのことです。市民レベルで対応しようとしてきた今までのGMナタネ自生問題でしたが、その限界が見えてきたこともあり、行政への働きかけは必須でもあるわけです。

10月に名古屋で行われるCopとMopではこのGMナタネの問題が取り上げられるわけですが、それにあたり、行政側にもその状況、具体的なデータについて事前に報告しておく必要もあるわけです。

非常に駆け込みではありますが、両県への状況報告と申入れとがしっかりとおこなえたものと確信します。

なお今回の申入書の文面には含めませんでしたが、県による調査の上で適切な駆除措置をしていただけるよう、口頭による申入れを行いました。

両県に対し、今後も適切な対応をお願いする次第です。