愛知県農業総合試験場
説明会 2002/7/31

すでに7/5にも愛知県農業総合試験場への見学会をしましたが、そこで一般圃場での栽培試験の親展ぶりに驚かされました。そこで『遺伝子組み換え食品を考える中部の会』では、同試験場に対し再度の説明会をお願いしました。
同試験場の約15aの一般圃場では、除草剤(ラウンドアップ)耐性祭り晴イネの試験栽培がされていました。

この試験栽培用一般圃場は、実際に不耕起乾田直播栽培のもとでのテストが行われています。

2001年5月、農水省から『環境安全性』についての認証がされており、一般圃場での試験栽培が可能となっています。
猛暑の中での質疑応答。河田氏と辻研究員

この説明会でも、白熱した質疑応答がなされました。
一般圃場ではなぜ試験栽培はしても、収穫はしないのか。農水省からは、環境安全性についての認証が降りているのだから、問題がないということではないのか。
いくら環境安全性が認められているからといって、食品としての安全性が認められていない限り、周囲への影響には万全でなくてはならないため、収穫はしない。種の固定、選抜のための作業は、隔離圃場で行っているため、一般圃場ではその必要はない。
ただし、一般圃場という定義づけと、農水省からの環境安全性認証との間には、疑問点が残ってしまう。つまり、安全性が確認されているのであれば、食用あるいは飼料などの目的としなければ栽培、収穫もできるのではないかという解釈もできる。

現在、ラウンドアップはラウンドアップハイロードという新商品に代わっているが、試験栽培にはどちらが使われているのか。
ラウンドアップハイロードを使っています。

GM品種として商品化されるとしたら、品種名はどのようにつけられるのか。

元の品種名を使うことができるが、『祭り晴○×』というように『祭り晴』とは区別できる品種名とする必要がある。または、別の名称をつけてもよい。商品として流通する場合、その袋にも同様な表示が必要となる。

モンサント社での研究品種(除草剤耐性イネ)に『M−202』というのがあるが、それについてのデータはあるのか。
『M−202』(注)については、モンサント社独自の研究品種のため、愛知県農試では感知するところではありません。

(注)
M(mideam grain)とは中粒種の意(モンサントの頭文字ではないようです)。日本の水稲種はS(short grain)短粒種であり、直接関係する系統ではないものと思われます。

ラウンドアップが施用され、雑草だけがみごとに枯死している
一般圃場では、田植え後除草剤無施用の試験区に、7/8(8葉期)ラウンドアップを散布。雑草はみごとに枯死し、除草剤耐性の威力をまざまざと見ることができました。

なお、一般圃場での試験栽培は8/15くらいまでとし、GMイネは他の除草剤で枯死させたのち、圃場に打ち込まれるとのこと。