遺伝子組み換え作物作付け反対
   名古屋集会声明文
平成15年7月2日


 現在、日本ではGM作物の商業目的での栽培は行われていません。しかしながら、すでに食品としてみとめられているかぎり、栽培は可能であり、今後実現してしまうかも知れないということを忘れてはいけません。そうなれば私たちのGMフリーを選択する権利は失われてしまいます。

 この狭い国土の日本で起こりうる事態というのは、米国やカナダで起こっているGM汚染とは比べものにならないほど深刻なものとなる可能性があります。その時になって、優秀な在来の作物が姿を消すような事態が起こりうるとしたなら、GM作物の国内栽培は決して許されることではないでしょう。

 一昨年から、一部の団体による除草剤ラウンドアップ耐性大豆のデモ栽培が日本各地で敢行されています。これは明らかに、モンサント社のGM作物のPR活動といえます。こういった行動に対する消費者の態度いかんによっては、このデモ栽培が今のところ行われていない収穫にまで結び付けられてしまう可能性もあります。それはとりもなおさず、消費者のGM容認、受容という意思表示につながりかねません。その意味で、GM大豆のデモ栽培はモンサント社にとっても私達にとってもいわば『試金石』ということになるでしょう。この『バイオ作物懇話会』なる団体の、一見意味の無さそうな活動ではありますが、消費者がこれを見過ごすか封じ込めるかが、今後の日本でのGMの行方をおおきく左右することになるにちがいありません。

 現在、日本の食糧自給率は40%を切っています。地産地消、身土不二という言葉がありますが、私たちの食の安全と日本の農業を守り育ててゆく意味からも、これ以上農の荒廃を許すわけにはゆきません。このような状況の中、GM作物は決してポジティヴな未来を暗示するものとはいえません。なぜなら、GM技術の選択とはかつて科学の夢見た錬金術のように、単なる安易な手段としか思えないからです。わたしたち同じ社会に生きる『消費者』と『生産者』の信頼の結束、さらには健康的な地球の未来の構築をするために必要な手段とはとうてい考えられないのです。

 GM技術により、一体どれだけの人々が幸福を得られるというのでしょうか。農家は特許権で縛られ、消費者は安全の保証のない食べ物を押し付けられ、自然生態系は遺伝子汚染によって取り返しのつかない事態へと進みかねません。GM技術は開発企業の利益しかまもらないのです。

 私達がどちらを選択すべきかは、あまりにも明白ではないでしょうか。
    
遺伝子組み換え食品を考える中部の会
事務局: 名古屋生活クラブ
名古屋市西区比良2丁目120
пF052−501−0251

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