北海道遺伝子組み換えイネいらないネットワークによる
「一般圃場における遺伝子組み換えイネ試験栽培の即刻中止を求める署名」提出
各省庁との行政交渉

2003/09/05


9/5当日は、北海道内はもとより全国から寄せられた78576筆の署名簿を携えて、関係省庁との折衝、並びに農林水産大臣宛署名簿提出を行いました。

いらないネットからの出席者:
北海道遺伝子組み換えイネいらないネットワーク
笛木康雄:
北海道有機農業協同組合 専務理事
西原淳一:
北海道農民連盟 書記長
西 裕之:
北海道農民連盟 事務局長
  ほか3名
佐藤典子:
市民ネットワーク北海道代表
札幌市議会議員 ほか2名
Epp Raymond:
農業 長沼町
加藤秀生:
事務局(生活クラブ生活協同組合 理事会事務局)
信田邦雄:
民主党 参議院比例区 北海道農民連盟

農林水産省
斉藤京子課長:
技術会議事務局技術安全課
飯田健雄課長補佐:
青木利充:
大川安信:
同研究開発企画官
佐藤 紳課長補佐:
先端産業技術研究課
金山武史課長補佐:
消費安全局 表示・企画課
福島正人課長補佐:
農業安全管理課
鈴木富男課長補佐:
生産局農産振興課

内閣府食品安全委員会
三木 朗課長補佐:
事務局評価課(新食品等・飼料・肥料等担当)
岡本 博係長:
新食品等

厚生労働省
植村展生課長補佐:
医薬食品局 食品安全部 基準審査課
中田義信係長:
調査表示係

文部科学省
石田澄夫課長補佐:
スポーツ青少年局学校健康教育課       


1)
栽培への市民合意のあり方について→農林水産省技術会議
国内で試験栽培を含めて、一般圃場で栽培する場合の周辺住民との合意形成について、今回の北農研センターのようなことが起こらないような方策をとって欲しい。
(要旨)充分な説明を行っていたとは言えない。今後は時間的な余裕をもって合意形成に努めたい。理解を求めるために、問題点があれば改善していく。

2)
GM食品の安全評価について→食品安全委員会
食品安全委員会として国内独自基準を策定するのであれば、現基準適用食品を含め、すべての食品を対象とするべきではないか。
(要旨)委員会として発足したばかり。現在専門委員会の委員を選抜しているので、すべてはこれから。これまでの基準で承認してきたものについては、見直しが必要と判断された場合は、再審査することになる。

3)
食品への使用とGM由来表示について→厚生労働省
表示法の改正を望む。多くのアンケート調査で、消費者は遺伝子組み換え食品を食べたくないという結果が出ている。しかし、現行の表示法では、GM由来のものが入っている可能性があるものについても、わからないケースがある。
(要旨)JAS法と食品衛生法が混在している現在の表示方法を整理する方向。共同議論で改訂していく。消費者の知る権利は、情報が提供できる限り提供し、権利保護に勤める。PAの方法として、全国を数ブロックに分割し、意見を聞く場面を作る。

4)
学校給食について→文部科学省
学校給食についての国の指針を明確に示して欲しい。多くの自治体では学校給食に遺伝子組換由来の原材料を使わないことを進めている。ただ、学校給食そのものは国の指針がないので、自治体個々の対応に委ねられている。
(要旨)学校給食は食品衛生法の範疇で安全性を認められたもので作られていることを前提としている。食材の安全性は学校設置者の判断に委ねているが、安全性の確認は食品衛生法の範疇で行うよう学校設置者に対して指導している。

各々の項目に対しては、当該省庁から担当者が訪れ、質問項目に対する回答並びに関連付随する質疑応答という内容で進めました。

ただ、いずれの省庁にしても大きく踏み込んだ回答を得ることができず、予想はしていたものの、不満の残る折衝でした。

特に、農水省技術会議の対応については、現場である農技研の状況を把握しておらず、今後の実験の方向性についても現場での返答との食い違いを見せるなど、監督省庁としての姿勢を疑うものでした。

また、食品安全委員会からの答弁には、何一つ実を得るものは無く、発足間もない機関であることを言い訳に具体的な回答を避け続けている姿勢には疑念すら覚え、食品安全行政の中枢機関である認識が希薄であると感じました。

質疑終了後、農水省庁舎にこちらから出向き、北村直人農林水産副大臣(自民党・北海道13区選出)に面会を求めて署名簿を手渡し、意見交換を求めました。その中で、副大臣からは「私もモンサント社は信頼しておりません。信頼していない企業の作り出すものは認めるわけにはいかない。」「私も獣医師として10数年フィールドにおりました。科学者の末席を汚すものです。その科学者として言わせていただければ、皆さんが食べている食品すべては遺伝子組み換え作物でできているのだということを認識して欲しい」などという発言がありました。いかに期待していなかったとはいえ、政府機関の主たる責任を持つべき立場の人間が、公の場面でこういった発言を平然と行うことについては、多くの参加者は失望の念を禁じ得なかったことでしょう。

このように、今回の提出行動については充分満足のいくものではありませんでしたが、今回の行動には北海道からの参加者だけでなく遺伝子組み替え食品いらない!キャンペーンの天笠氏をはじめ、首都圏からも大勢のみなさんの参加をいただきました。署名提出ですべて帰結するわけではありませんが、こういう場面で「GM No!」の思いを待つ多くのみなさんと行動をともにしたことで、今後のGMイネストップに向けた動きにはずみをつけることができるものと思います。

北海道遺伝子組み換えイネいらないネットワーク
事務局:
加藤秀生(生活クラブ生活協同組合)
Eメール:hideki_1961@hotmail.com