(報告)いらない! 遺伝子組み換え食品京都集会
−食の企業独占は許さない− ヴァンダナ・シヴァ女史を招いて
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3/26、平日にもかかわらず、京都駅前アヴァンティホールには、270名ほどの参加者が集まった。 基調講演には、農業を基盤としたエコロジスト、ヴァンダナ・シヴァ氏をはるばるインドから。 京都大学、農学部の西村和雄氏の有機農業と遺伝子組み換えについての話のあと、シヴァさん登場。 シヴァ氏の講演は通訳を通しておこなわれるため、断続的に意味を伝えるという作業となり、若干臨場感に欠けるものの、氏の長年のグローバリゼーションとのたたかいを理解させるには十分だった。シヴァ氏の講演の内容をまとめてみた。 戦争では化学兵器を作ってきた会社が、その技術をそのまま使って農薬をつくり、GM作物までも開発し販売する。1960年代に起こった『緑の革命』のもたらしたものは、疲弊した土地と農家の貧困だった。従来の農法では必要のなかった多量の資本投下が近代農業では必要となり、その代償として得られるのは除草の省力、殺虫。その結果環境は汚染され、農家に残るのは債務。 『第2の緑の革命』とまで言われる、遺伝子組み換え技術。その便利さの結果には、ここでもやはり『負』の資本と環境汚染。バイテク企業の搾取ぶりは目に余るものがあり、イギリスによるインド支配という過去の出来事以来の大きな怒りといえる。 大国の農産物輸出品の安価な理由は、その背後には国からの巨大な補助金によって成り立っている。そのために、小麦や大豆、綿、トウモロコシなどのダンピングがおこなわれている。 インドではGM作物であるBt綿(殺虫毒素を持つ)の収量が上がることもなかったし、ビタミンAを強化するというゴールデンライスにしろ、それは他のハーブから摂取できるものであり、まったく不必要な作物といえる。 そういったグローバリゼーションの対象とされ続けてきたインドの農業を救うため、ナヴダーニャという実験農場を開設。16年前からオルターナティヴなことのために人生をささげてきた。在来種子の保存や栽培試験、たい肥作り、多品種農法(病気が少ない)の実践など、バイオテクノロジーに頼らない従来の農業を振興する運動をしてきた。 企業的な考え方は農業をだめにする。本来、農業において女性の役割は大きく、そういった助け合ったり分け合うという精神は企業的な考えにはない。
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