PE系統GMイネの一般ほ場栽培試験
酸性土壌抵抗性GMイネ(PE2、PE84系統)の栽培試験は、隣接の非GMイネの試験ほ場と3m隔てた試験区で行われている。さらに農道を隔てた隣接のほ場との間隔は2mにも満たないように見える。

イネは自家受粉の作物とはいえ、隣接のほ場との距離が3mというのには疑問を感じる。

ちなみに、愛知県農業総合試験場でのGMイネに関して、同試験場の見解では、イネ花粉の寿命は5分、風速5mの条件下では、交雑可能距離を20mとしている。

北海道農業研究センターでの見解では、交雑可能距離を2m弱としている点に大きな疑問を感じる。

イネ花粉に関して、農業生物資源研究所かあるいは、農水環境技術研究所の見解なのか、とにかく愛知県農業総合試験場の見解とが大幅に異なっている点を、どう解釈したらよいのだろうか。
右下緑色に示された部分がPE系統GMイネの植えられている試験区

図中地点から試験区をのぞむ
手前のほ場との間には、3mの緩衝帯(もち米)とコンクリートの畦を隔てている。研究員の向こうの農道の幅は2mに満たない。
よく見るとコンクリート畦の一部は隣接ほ場とつながってしまっている。
図中地点から試験区をのぞむ
農道(左)とコンクリート畦(右)を隔てて、非GMイネの試験ほ場が無造作に設定されている。
非常に大雑把な栽培試験といわざるを得ない。
写真提供:GMいらない人々
それでなくとも、GM作物の研究には細心の注意を配るべき立場の農水(一応今回の試験栽培の主体とはなっていないものの)にしては、不本意と判断されても仕方がない。

本当に大丈夫なのだろうか。