国道23号、赤線が今回の調査区域
遺伝子組換え食品を考える中部の会では、国道23号、四日市市『松泉町』〜松坂市『小舟江町北』を経て、関連製油会社〜中勢バイパス(嬉野新屋庄町より鈴鹿市『野町西』)の約68kmの雑種ナタネ調査を行いました。

コロナ禍の影響もあり、中部の会での自主調査としました(中部の会より10名と、特別に遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンから原さん参加)。
調査の方法
全行程をA〜Cの3班に分け、1班3〜4名、おもに車中からの視察としました。各班の受け持ち距離が長いため、セイヨウナタネおよびその雑種とみられる、目立つ個体について抜取り採取しました。
安全のため、無歩道および、中央分離帯での抜取り採取作業は行わない。
採取したナタネは、GМ判定検査後、ゴミ袋に詰め、当会の用意する車両にて回収。燃えるゴミとして処分。
各作業員は視認性の高い反射ベストを着用し作業にあたる。
採取した検体については、四日市市なやプラザにて、GМ検査と集計
雑種ナタネについて
4月初旬では雑種ナタネの確認は難しく、交雑後さらに成長し、その特徴が明確になる時期は6〜7月ころとなります。雑種ナタネの調査もその時期にあらためて行なっています。
しかしながら、近年6月末から猛暑が始まり、暑さに弱いナタネや雑種も発芽しにくく、調査するメンバーの熱中症も心配されるため、今後は、時期を変更する必要があるかもしれません。
今回の調査結果
抜取り総数は、セイヨウナタネ、雑種、その他のアブラナ科植物、合計72本。
セイヨウナタネ:64本(検体数30) GМ確率は73.2%
雑 種: 6本(検体数6) GМ確率は66.7%
その他: 2本(検体数2) GМ確率は0%
うちセイヨウナタネでRR、LL両耐性2本でした。
以上の検体の中から、A−14Z、18Z(簡易検査でいずれもRR陽性)、B−12Z(LL陽性)、06(RR、LL両陽性)、C−12Z(LL耐性)について、農民連食品分析センターにPCR検査を依頼したところ、おおむね、簡易検査と同様の結果が得られました。

A-18Z(雑種:RR陽性/PCR検査)
除草剤が散布され、一面雑草が枯死する中、この個体だけが自生している
雑種とセイヨウナタネが同じ場所に自生
雲出大橋(東側歩道)C班
検査の様子(四日市市なやプラザ)
A-14Z(雑種:RR陽性/PCR検査)
B-12Z(雑種:LL陽性/PCR検査)
C-12Z(雑種:LL陽性/PCR検査)
雑種の自生状況について
今回の調査では、分離帯での作業を行わなかったことと、走行する車中よりの視察に限られたため、抜取りのできなかった個体も多かったと思われます。

中勢バイパスについて
この道路は、国道23号の複線で、今年度中に開通の予定とのことです。この道路は関連製油会社にとっても、四日市港からのナタネ輸送に大幅に有効となります。しかしながら、この道路は自動車専用ということで、GМナタネが自生した場合、抜取り駆除することが困難です。

中部の会では、関連製油会社に対し、この道路を経由してのナタネ輸送を行わないよう申し入れしました。それに対し、全面的に同意していただいた結果、今回の調査でも、中勢バイパスでのセイヨウナタネ自生は確認されませんでした。

また、四日市港での輸送トラックへのエアーシャワー実施、輸送経路の自主的な抜取駆除活動など、関連製油会社による、GМナタネの拡散抑止のための努力についても評価します。

中部の会では、今後も引き続き、地道な調査と抜取活動を続けてゆきます。

今回の調査に、遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンの原さんの参加、ご苦労様でした。
検査の様子(四日市市なやプラザ)
検査会場での集計(あくまでも暫定)