遺伝子組換え食品を考える中部の会では、2018/4/8、GMナタネ抜取隊を市民の方43名の参加を得て、第21回GMナタネ抜取隊を行ないました。

みなさまのご協力のおかげで、無事抜取作業を終えることができました。どうもありがとうございました。

なお、昨年秋に予定していた抜取隊は、ナタネの自生が少なかったため中止としました。

今回の抜取隊の作業区間は、国道23号、鈴鹿市『北玉垣町』交差点より、津市栗真町屋町サイゼリヤまでの14.8km(その間の、比較的ナタネ自生の少ない区域を除く)でした。

その結果、抜取本数909本。その内66本について試験紙による簡易検査を行い、RR(ラウンドアップ耐性GM)陽性14本、LL(バスタ耐性GM)陽性53本を確認。内1本が両耐性GM陽性でした。

今回は、雑種と思われる個体とアブラナ科雑草については3個体のみの抜取回収。内1本でLL陽性を確認しました。

昨年春、4/2に行なった第20回抜取隊では、ナタネの抜取り本数905本。内86本が雑種と思われる個体を含むアブラナ科雑草でした。

第20、21回抜取隊での成績は2015年の3276本、16年の6200本と比べると少ないとはいえ、過去の推移と比べて、決して低いレベルとはいえません。

道路脇のナタネ抜取り/H班

栗真中山町付近/J班

持帰ったナタネの仕分け/H班
(白子コミュニティセンター)

試験紙による簡易検査/J班

河田昌東さんによるミニ講義

暫定の集計
現在、雑種と見られるナタネについては、明らかにセイヨウナタネとは違うその形体と、周囲に自生するハタザオガラシ、イヌカキネガラシなどとの相関から判断しています。しかしながら、それが雑種で、しかも、どのアブラナ科植物との交雑個体なのかを確定するには至っていません。

今回、農民連食品分析センターの協力で、遺伝子配列の違いを検出して、ナタネとハタザオガラシを判別するPCR法を確立しようと取り組んでいます。この検査方法が確立できれば、これまで抜き取りで見つかってきたGMナタネとハタザオガラシが交雑したと考えられる個体が、本当に交雑した個体なのか、またその親が何者だったのかを特定することができるようになるかもしれません。

今回、抜取隊のC班で採取した3本のハタザオガラシを農民連食品分析センターに送り、検査をお願いしました。今後の成果に期待します。


こぼれ落ちの抜本的対策として
左のグラフから、自生するセイヨウナタネは増加傾向にあることがわかります。GMナタネ抜取隊について、今後も継続的に行ってゆくことは容易なことではありません。

中部の会では、関連企業に申入れをし、トラック輸送の行程で起こっているナタネのこぼれ落ちを減らすための抜本的対策を実行していただいているところです。

方法として、四日市港でのトラック積込みを終えた段階で、車体や荷台にこぼれたナタネを吹飛ばすため、強力なエアーシャワーを実施。

現在テストの段階ですが、このシステムがこぼれ落ち自生を食い止める切札となることを望みます。