遺伝子組換え食品を考える中部の会では7月2日、GMナタネの雑種調査を42名の市民の参加で行ないました。

4/2に実施した春の抜取隊では819本のセイヨウナタネが抜取られましたが、時期尚早のためか雑種ナタネと見られる個体は確認されませんでした。

春の抜取隊は自生拡大を防ぐため、ナタネが結実する前に実施しましたが、雑種ナタネの自生調査には時期尚早でした。そのため雑種が多く確認される7月に、あらためて雑種調査隊を実施することとしました。

今回の調査はは鈴鹿市『南玉垣町南』〜雲出大橋南の国道23号からA〜Gの区域を選抜し行いました。

過去の経緯からみて、こぼれ落ちたナタネは気温や雨など気象の好条件が揃わなければ芽吹きません(セイヨウナタネの種子には数年間の発芽能力があるとされる)。そのため、何らかの気象条件が整えば爆発的な自生拡大にもつながりかねないことから、今後の調査、駆除活動も注意深く行ってゆく必要があります。

●一級河川の河川敷調査
中部の会では、近年、河川敷は調査していませんが、国立環境研究所の自生調査で河川敷でも雑種が確認されていることから、今回、雲出川河川敷の調査をおこなう事としました。

●雑種ナタネの記録
雑種と思われる個体については、採取データを正確に残す為、環境省の自生調査をおこなっている自然環境研究所の手法に習って、自生個体に園芸用ラベルを付し写真撮影をする。

細い針金付きの樹脂製園芸用ラベルを用意。貼ってはがせ、文字が書けるテープをラベルに貼り、検体番号を記入し、写真撮影後、テープをはがし、検体に巻きつけ、認識票とする。

●検体へのナンバリング
今後、中部の会による調査活動と抜取隊に伴う記録について、精度のあるものとする必要があります。検体 No.として、調査の年月日なども付加し、重複のないナンバリングを残してゆくこととする。

B班:BE013Zは
BE:
B班の東側歩道(西側歩道はW、中央分離帯はC)
013:
B班の通し番号
Z:
雑種(N:セイヨウナタネ、K:カラシナ)

さらに当日の年月1707を付加し『1707BE013Z』としました。


A班『堀切橋北詰』AW堀切Z(LL+)

A班の検査結果
A班では『南玉垣町南』〜『白子町北』区間のほかに、あらかじめ下見調査で『堀切橋北詰』で自生が確認されていた、雑種と見られる個体(AW堀切Z)を採取。簡易検査の結果、除草剤バスタ耐性(LL+)を確認。

今回の雑種調査で、雑種と見られる13個体(うち4本がRR+、4本がLL+)を採取。なお、セイヨウナタネは168本採取。うち48検体について簡易検査を行い、RR+15本、LL+14本を確認しました(集計結果を参照)。

B班中ノ川の北詰(これより津市)

中ノ川の北付近

『東千里』北分離帯(雑種? BC051Z)

『東千里』北の空地(左)

空地に数多くナタネが自生

除草剤で周りの草が枯死(簡易検査せず)

鈴鹿市神戸コミュニティセンター

B班の簡易検査

河田代表によるミニ講義

雲出川左岸河川敷のカラシナ(F班)

検体『F雲L018N』(LL+を確認)

『F雲L020N?』セイヨウナタネ?(GM陰性)
雲出川河川敷では、とくに左岸(F班)で比較的多くのセイヨウナタネが確認されました。カラシナについては左右両岸で多く確認されました。

セイヨウナタネについては、雲出大橋の真下に自生する傾向が見られました。中央分離帯に沿って設置されている排水口から雨水とともに種子が落下し、自生に至っているものと思われます。

F班の雲出川左岸の状況から、国道23号におけるセイヨウナタネの自生が、世代交代の要因もさることながら、トラック輸送による継続的なこぼれ落ちの可能性が大きいことをうかがわせます。

中部の会では現在、関連企業に対し、こぼれ落ちを防止するための措置を要求しています。

雲出大橋の中央に設置された雨水排水口の真下に多くのセイヨウナタネの自生が確認されました


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