2012/11/18
その2
今回の抜取隊は、左の地図に太線で示した国道23号線のうち、赤線の部分でおこないました。もちろんこの区間以外でもセイヨウナタネが確認されていますが、先駆けておこなった下見調査の結果から、比較的自生の多い区間を選抜しています。

抜取られたナタネの数は合計197本で、先回5/20の1747本と比べると大幅に減少しています。前のページでも述べましたが、先におこなわれた大学駅伝のための清掃・除草がその大きな理由だと思われます。

下の集計表から:
数字からもわかるとおり、駆除されたナタネは197本。うち101本に簡易検査を実施(カッコ内はGMである確率)。

ラウンドアップ耐性
バスタ耐性
検体数
・セイヨウナタネ
18(19.6%)
43(46.7%)
92(66.3%)
・雑     種
2(22.2%)
4(44.4%)
9(66.6%)
20(19.8%)
47(46.5%)
101(66.3%)

最近の傾向のとおり、ラウンドアップ耐性(RR:Roundup Ready)である確率がバスタ耐性(LL: Liberty Link)のそれを大きく下回るという結果となっています。これはカナダの栽培農家の多くがバスタ耐性セイヨウナタネに切り替えているという情報と一致します(ラウンドアップが効かなくなっている?)。このことから、トラックによるナタネ輸送の行程で、依然としてこぼれ落ちが発生している事実を示しています。

確認された雑種?はハタザオガラシ関連と思われる個体の他にも、片親の確認が難しいものが2種ほど見られました(前ページの写真参照)。

今回簡易検査をおこなった検体のうち、RR,LLともに陰性を示したものについて、5個体(うち1個体は11/5の下見調査で採取)のPCR検査を農民連食品分析センターに依頼。その結果、すべてGM陰性と判定されました。
●今回のPCR検査の費用は、遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンより出費いただいています。この場を借りて御礼いたします。
依然として中央分離帯に自生するナタネが多く、今回の抜取隊では101本中、62本でした。

国道23号線は三重県の幹線道路の中でも、とりわけ交通量が多く、市民による抜取駆除作業に危険が伴います。これは現在、大きな問題となっています。

明記しておかなければならない点として、先回第11回抜取隊では、塩浜大橋以南、無歩道の区間の中央分離帯で、処理しきれないほどのセイヨウナタネを確認しています。同時にハタザオガラシの自生も。この区域ではほとんど手付かずの状態で、セイヨウナタネが世代交代、または交雑を繰り返していても不思議がありません。

また今回、抜取り数の多かった『朝陽中学校前』⇒『白塚団地入口』の前後は作業区域に含まれていませんでした。しかしながら、当日抜取隊終了後、送迎バスからの目視では、相当数のナタネを確認。機会があれば、抜取作業を実施したいところ。
GMナタネ抜取隊も今回で12回を重ねました。GMナタネによるGM汚染を止める意味では、成果をあげていることは確かです。しかしながらもし、この活動を停止したなら、2004年当時の状態にもどってしまうことが予想されてしまいます。

輸送に伴って起こるGMナタネの自生について、根本的な対策が得られていないというのが現状です。しかしながら、それを最小限に抑えるためにとりうる方策がないわけではありません。

私たち遺伝子組換え食品を考える中部の会ではそのためのアプローチを行政機関などにもおこなってゆく考えです。

みなさまのご意見・ご協力をお願いします。


動画でどうぞ