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白子駅入口から寺家六の区間は作業を行なわなかった
今回の抜取隊の傾向
毎年春、関連企業による抜取作業が行なわれますが、今年はそれを行わない場合、どのような状況になるのかを検証するため、敢えてそれを行わず、合同で行う抜取隊で抜取り駆除と調査を行い、その上で現状把握を行うこととしました。
その結果、例年と比べてかなり多くのセイヨウナタネを確認しました。抜取作業の重要性をあらためて認識します。
今回の抜取隊では、今まであまり抜取りをしなかった一ノ宮町より北、四日市市松泉町までの区間についても作業を実施しました。
この区域は歩道が完備されていない部分も多く、安全の確保が難しいこともあり、これまで作業の対象から外されていました。
中部の会では、中央分離帯がコンクリート被覆されていない市外地では、自生の可能性はあるものの、多くの雑草に抑えられ、セイヨウナタネの自生は少ないと判断していました。しかしながら、今回の抜取り調査では、非常に多くのセイヨウナタネとハタザオガラシの自生が確認される結果となりました。とくにB班では、分離帯ですでに種子鞘から種子を放散し終えた多数のセイヨウナタネの枯れ枝を確認しました。
例として、B班の『貝塚町北』交差点から塩浜大橋の北詰までの 1.7Kmの間では、500本以上のセイヨウナタネを確認しました。その大半は時間切れのため取りきれず、そのまま放置する結果となりました。
またこの区間では、多くのハタザオガラシも確認され、それとの交雑を思わせる3個体を確認。うち1本が簡易検査でGM陽性と判明しました。
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認識札のつけられたセイヨウナタネ(塩浜大橋にて)
詳細はこちら
B班で確認された雑種と思われる個体
今回の抜取隊の結果
今回の抜取隊で回収されたアブラナ科は1747本。うち雑種と思われる個体14本、ハタザオガラシ5本でした。
セイヨウナタネは152本が選抜され、試験紙による簡易検査で、RRナタネ(除草剤ラウンドアップ耐性)が36本、LLナタネ(除草剤バスタ耐性)44本。両方に耐性が1本。
詳細はこちらをごらんください。
雑種と思われるナタネ14本のうち3本が簡易検査でRR陽性と判明しました。
ハタザオガラシは5本回収されましたが、GM陽性はゼロ。
今回の抜取隊で検査を行なった検体のうち、簡易検査でGM陰性と判定された個体13本のPCR検査を農民連食品分析センターに依頼しました。うち2検体はハタザオガラシとの雑種と思われるもの。
以上の検査で、計5検体がGM陽性と判明(うち1検体がLL陽性)。雑種2検体のうち1本がRR陽性でした。
今回も『隠れ陽性』の個体が4割近くの確率で見つかっています。バスタ耐性(LL)が確認されたのは、今回がはじめて(
その結果はこちら
)。
白子コミュニティーセンター
動画情報
『もうめずらしくない』
遺伝子組み換え交雑ナタネ
隠れGM個体
今後の課題
今まで作業のしにくさから抜取隊の対象からはずされていた区域でのセイヨウナタネの自生が特に多く、交雑種と思われる個体も確認されている。今後、これらの区域での抜取作業をどうしてゆくかが課題となる。
いずれにしても、中部の会や関連企業のような民間団体だけの抜取作業では対応しきれないというのが現状といえます。
全国のGMナタネ調査活動に向けて
現在、セイヨウナタネが輸入されている港のうち、GM汚染が確認されているのは、鹿島港(茨城県)、千葉港(千葉県)、名古屋港(愛知県)、四日市港(三重県)、博多港(福岡県)の周辺です。今のところ市民による抜取り駆除活動は行われてはいるものの、まだまだ成果をあげるまでには至っていません。今後の動向によっては、さらなるGM遺伝子による汚染が懸念されます。
調査から抜取駆除へ
今後は、汚染地域での集中的な抜取駆除活動への移行が必要です。そして、民間レベルの活動に加えて、関連企業、行政による何らかの対策が望まれます。そのためには、関係機関を含めた相互の情報交換、協力体制を確保してゆく努力が必要ではないでしょうか。
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RR:Raundup Ready
除草剤ラウンドアップ耐性遺伝子組み換えの意。主成分グリフォサート。モンサント社の商標
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LL:Liberty Link
除草剤バスタ耐性遺伝子組み換えの意。主成分グルホシネート。バイエルクロップサイエンス社の商標