第8遺伝子組み換えナタネ抜取隊 in 三重県 (その2)
2010/11/21

先にも述べましたが、今夏の猛暑の影響もあり、今回の抜取隊ではナタネの勢力が大きく減少していることが確認されました。そのため作業区域を今までで実績の大きかった区域、さらに11/14の下見の結果から考慮して、左の地図のような作業区域としました。

11月は日の暮れが早く、検査・集計を含め、作業は夕刻までに済ませなくてはなりません。路上での抜取作業は15時までで打ち切りとし、検査・集計は鈴鹿市白子公民館にて。
各隊員、安全ベストを着用。安全第一で参加していただいています
また隊員のみなさんにはセイヨウナタネ以外のアブラナ科植物の抜き取りもお願いしたため、紛らわしい個体も数多く採取されました。

抜き取り回収したセイヨウナタネに似ていないアブラナ科個体の中から18検体を選び、試験紙による簡易検査を行ないました。

表をクリックすると詳細をごらんになれます
表中、アブラナ科植物とありますが、あくまでも目視による判断によるものです
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検査の結果は左の表のとおりですが、その他アブラナ科個体のうち9検体がラウンドアップ、バスタいずれかに耐性であることが確認されました。

ただ、セイヨウナタネは幼生期には条件により、さまざまな形態を表すため、一概に交雑種と判断するのは禁物です。

今年度までは中部の会では雑種についての調査は行なってきませんでした。通常、アブラナ科の植物は相互で容易に交雑します。また交雑の起源を判別する場合にも、特別な機関に依頼する以外に方法がありません(公的に検査を受け付けている機関がありません)。

今後の活動において、大きな課題といえます。
三重県は全国でもいちばんの菜花の産地です。その品種としては三重県独自の在来ナタネがあり、種子の採取には特に注意が払われてきました。しかしながら、県内でこのような遺伝子汚染が顕在する中、その管理を県外に移さなければならないという状況です。

三重県におけるこのような事例は、名古屋MOP5で採択された補足議定書の『責任と修復』にあたります。遺伝子特許を所有するモンサント社、バイエルクロップサイエンス社やその輸出国であるアメリカ、さらにはその輸入を許可している日本国についてもその責任の所在があるわけです。

現在『修復』作業には関連の企業と民間団体のみがあたっています。そこには本来責任を問われなければならない機関による参加がありません。

今後の対応が望まれます。
今後の活動の課題として、とくにアブラナ科植物の判別に詳しい方の参加が望まれます。

また今後の方向性としては、国道23号沿線から離れた場所への交雑を含む拡散の可能性をも考慮に入れる必要があります(河川の河口付近での『ハマダイコン』などの雑草との交雑など)。

民間レベルでの対応が困難な今後の現実もあり、行政機関からの協力も望まれるところです。

みなさまのご協力をお願いします。

遺伝子組み換え食品を考える中部の会
連絡先:食と環境の未来ネット
TEL:052-937-4817
FAX:052-932-8234
E/メール:nonchan-milk@athena.ocn.ne.jp

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