ア ピ ー ル
今年もまた遺伝子組み換えナタネの全国調査がおこなわれ、調査した方々からの報告があり、日本国内でも遺伝子汚染が私たちの予測を超えて広がっていることが明らかになりました。これ以上放置すると、生態系に甚大な影響が起きるとともに、農業に悪影響が生じ、食の安全が脅かされることになります。

2010年10月に「生物多様性条約締約国会議(COP10)・カルタヘナ議定書締約国会議(MOP5)」がこの名古屋で開かれます。この条約は地球の環境を包括的に保護する「地球の上の生命(いのち)の条約」です。その中で、遺伝子組み換え生物は特に問題があるとして特別に規制を求め、議定書が作られました。名古屋会議では、遺伝子汚染を防ぎ、生物多様性を守るために、この条約・議定書をより実のあるものにしていくことが求められています。

そのためには、これまで米国や多国籍企業の側に立ち、条約や議定書の骨抜きを図ってきた日本政府の方針を変えさせる必要があります。とくにカルタヘナ議定書締約国会議で焦点になっている「責任と修復」問題では、米国など食料輸出国の側に立った発言を繰り返させないようにする必要があります。

また、同議定書で国内法の制定が義務付けられ、日本でもカルタヘナ法(2004年2月施行)が制定されましたが、この法律はきわめてずさんでほとんど役に立っていない現実があります。日本の農業を守れず、食の安全を脅かし、遺伝子組み換えナタネの自生を野放しにしているこの法律を改正させる必要があります。

本日の集会に参加した私たちは、来年の会議に向けて政府の方針に変更を迫り生物多様性を守ります。カルタヘナ国内法の改正を求め、遺伝子組み換え作物・食品の規制を強化させます。そして、遺伝子組み換え生物のない、農家が安心して農業ができ、消費者が安全で豊かな食を得ることができ、未来に希望が見える社会を作るよう闘います。

2009年10月24日
2010年生物多様性条約/カルタヘナ議定書締約国会議1年前記念集会参加者一同