四日市港から国道23号南行き沿線の
2005/04/07
04/12

GMナタネ自生調査


遺伝子組み換え食品を考える中部の会(以後、中部の会)では3/17の調査の結果を踏まえ、4/7、4/12の両日国道23号(R23)沿線の追跡調査を敢行しました。

なお4/7にはあわせて名古屋港潮見埠頭周辺の再調査を、そして4/12の調査には名古屋テレビ『齋藤のススメ』の取材班の同行を得ています。

■↑野生カラシナの群落の中での名古屋TV『斎藤のススメ』取材(四日市市を流れる鈴鹿川支流、内部(うつべ)川河川敷で)。
R23沿道の民家の庭に咲くGMナタネ

中部の会での四日市周辺の自主調査は4/12で、2004年夏から数えて6回目となりました。04年8月にはまさかと思うGMナタネの自生・開花確認でした。秋から冬にも途切れることなくGMナタネの自生と開花が、そして今春に至って驚異的ともいえる量(もはや数とはいえません)の自生と開花を確認するに至りました。

もちろんこれらGMナタネはある地点では群落で、またある地点では他の野生カラシナにまじって、そしてまたある地点では巨大化し、周りに自らの子孫を撒き散らしているものまでありました。
外来生物が国内で拡散するためには、次のような条件が必要です。
@繁殖力がつよい
A生育条件が合う
B他の生物に対して優位性がある。 など

GMナタネの場合、@Aについてはほかのセイヨウナタネと同等の生命力をもっているわけですが、Bについては条件が違ってきます。つまり、道路脇、田畑の畦の抑草対策に除草剤が使われる点は見逃せません。つまり除草剤の使用により、GMナタネだけに生き残るチャンスが与えられてしまう。これは明らかにGMナタネにとっての優位性といえます。

度重なる除草剤の施用でGMナタネだけが居残り巨大化。写真のように茎は3cmほどにも成長、まわりに自分の子孫をまき散らしています。

また河川敷などの除草は草刈機を使って行なわれますが、ナタネの花が一面を覆っている最中に草刈をしようと思うものはいないでしょう。結局はナタネは花の後結実し、種をまきちらします。その後で草刈をしたのではナタネは駆除されたことにはなりません。むしろ後代を残すことができてしまう。

さらに交雑の危険性について農水省の見解では、『在来種と交雑する可能性もゼロではないが、一般的に雑種は繁殖力が弱く、はびこることはない』ということになっています。しかしながら、元筑波大・生井兵冶氏(受粉生態学)によれば、『違う種類との間での交雑種も代を重ねるうちに繁殖力を得る可能性もある』としています。

ナタネの最盛期の春に至って、これは放っておくと大変なことになるのかもしれないという危機感までおぼえてしまいます。

現在見つかっている2種類の除草剤耐性GMナタネには、すでに国内での栽培認可も降ろされて入るものの、その安全性自体にもまだ不確かな部分もあるといわれています。これらのGMナタネはまだ国内では栽培されていないだけに、限られた場所での自生に止まっているうちに、何らかの根本的な対策が取られる必要があるものと強く確信します。