ここでもあった!!
名古屋港のラウンドアップ耐性GMナタネ自生
04/08/13

04年7月、『遺伝子組み換え食品を考える中部の会』は四日市港周辺でラウンドアップ耐性(RR)ナタネのこぼれ落ちによる自生を確認しましたが、8/13、さらに名古屋港でも自主調査を敢行しました。その結果、ここでもRRナタネの自生を確認しました。

調査当日は真夏の猛暑にもかかわらず、7検体のナタネを生体で採取。このことから、日常的にナタネの種子がこぼれ落ちていることがわかりました。RR遺伝子判定用試験紙による試験の結果、採取した7検体中3検体が陽性、1検体が擬陽性でした。

右の写真のように、潮見埠頭は伊勢湾に造成された出島で、外部とは隔離されています。
名古屋港では港区潮見埠頭に、ナタネを輸入、製油している工場があります。工場は荷揚げ埠頭に隣接しているため、ここから外部にナタネが拡散するはずがないことになっています。

にもかかわらず、工場外ではナタネのこぼれ落ちによる自生が確認されました。
この製油会社では、埠頭に隣接する保税サイロから同じ埠頭内の製油所までベルトコンベアーで移送しており、その周辺ではナタネの自生は確認できませんでした。

ただしバース付近では右の写真のようにRRナタネの自生があり、荷役中のこぼれ落ちによるものと思われます。
バース付近の自生RRナタネ(左)と穀物船用バースと荷揚機械アンローダ
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ここ潮見埠頭の工場ではそれぞれ、カナダ産約6割、オーストラリア産4割ほどの比率でカノーラナタネを輸入している。そのうち、カナダ産は分別がなされていないので、多くのGMナタネの混入があります。

アンローダーによる荷役はちょうど掃除機で吸い上げるような方式で船倉からナタネを抜き取りますが、風の強い日などにはナタネ種子のこぼれ落ちは避けられません。

ただし周辺が海に囲まれているため、この埠頭を越えて種子が拡散することはないと思われます。
サイロ横には輸送用トラックへの積込用ピットがあり、ここから埠頭外へ移送されています。この工場では、ナタネと大豆を扱っており、このピットは大豆の移出用。

RRナタネの自生は他の雑草との競合の少ない場所で見つけられることが多い。

たとえばラウンドアップ除草剤などで除草が行なわれているような場所では、RRナタネだけが枯れずに残るという結果になります。

確認されたRRナタネが世代を重ねて、拡散するという可能性も否定できません。
製油会社正門付近の道路脇のRRナタネ。花も咲いている。製油会社の敷地内では、除草作業が行なわれているものの、敷地外までは手が届かないというのが現状のようです。
左のナタネはいずれもラウンドアップ耐性ではありませんでしたが、製油会社から1Km以上離れた信号交差点付近でもこぼれ落ちによる自生を確認することができました。

この製油会社への電話での聞き込みでは、社外へのトラック移送は行なわれていないとのことでした。しかしながら、このようなこぼれ落ちによるものと見られるナタネの自生がみつかったことはおどろきです。
名港湾岸高速道下の日陰で自生するこぼれ落ちナタネ
四日市港と名古屋港を自主調査した結果から判断すると、こうしたセイヨウナタネのこぼれ落ちによる野生への拡散が、ナタネ輸入港周辺では日常的に起こっている可能性が考えられます。

四日市港と名古屋港のほかでも、市民団体による自主調査が始められています。

同様の自生が他のナタネ輸入のある港でも確認されるはずです。

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Neogen社製RR遺伝子検出用試験紙使用。http://www.neogen.com/additionalfstests.htmReveal for CP4 (Roundup Ready)を参照してください。
試験紙による検査の様子 

03、04、07がラウンドアップ耐性遺伝子の陽性反応を示した自生ナタネ。

今回はラウンドアップ耐性(RR)のみの検査を行ないました。7検体中3が遺伝子組み換えです。