1000頭の屠殺で大鹿の脳障害の広がりを食い止められるか
2,001年9月21日
ザ・デンバーポスト
セオ・スタイン
抄訳 山田勝巳
コロラドの3つの牧場で飼われている約1000頭の大鹿が隔離されており、消耗性の慢性病にかかっているため屠殺される予定だ。州の農業職員は、急遽脳障害のある群をストーンハム、ロングモント、デル・ノルテに5年間の隔離管理下においた。 700頭のストンハムの群と31頭のロングモントの群を、過去40年間感染したミュールジカを放牧していたところへ移した。 鹿の取引が病気をサン・ルイ渓谷のデル・ノルテまで持ち込んでしまった。 州の野生生物担当部長は、世界的に大鹿や鹿の群で有名なウェスタン・スロープへの病気の広がりを食い止め狩猟が出来なくなることのないようにしたい意向。
脳障害の症状は、ふらつき、酷いのろま、錯乱、死亡などがあり、18ヶ月の潜伏期間があり、生きた鹿を検査する方法がない。この病気が人間に移ったという記録はないが、慢性消耗病は、イギリスで汚染牛肉を食べた100人が死亡している狂牛病と類縁関係にある。
この病気は既にサスカッチェワンやモンタナ、サウス・ダコタまで拡がっている。
カナダでは今年の始めにサスカッチェワンの狩猟農場で飼っている1000頭を屠殺する命令を出している。
1990年代の始めに野生生物局は、病気の広がりを防ぐために新規の狩猟農場を制限しようとしたが、農務省が代替家畜として許可した経緯がある。
州政府は、1000頭を屠殺して脳の細胞検査をする予定で、損害を受ける農家への保証について連邦政府の補助を要請している。