欧州はGMOに対する承認の一時停止の差し止めを提案
ブランドン・ミッチェナー
ウォール・ストリート・ジャーナル
ブリュッセル
2001年10月8日
訳 道長
ECは新規の遺伝子組み換え作物(GMO)の承認の一時停止の差し止めを提案する意向だが、GMOを含む食品に対する厳しい欧州連合(EU)の表示規約に米国が抵抗しないという保証がまずはほしいのである。
EU食品安全基準の施行を任ぜられている理事、デヴィッド・バーンはインタヴューで新しいGMO作物の承認差し止めをしてきた加盟国と共に問題を取り上げると述べた。彼は「あとでというよりはすぐに」EUがGMOを含んだ食品に表示の添付を要求する方式、というひとつの結論を望むと述べた、そして米国がこれに抗議しつづけるのであれば、それは欧州への圧力というべきだと付け加えた。
バーン氏は今週、ワシントンで貿易、農業のトップ、および消費者保護の職員に会見する際、米国がEU連合の規則に従うことに意義のないという保証を求めるだろう。
彼はまた、バイオ・テロリズムと戦うことに関して話し合うため、疾病対策センターの職員と会見をしにアトランタへ赴く予定である。EUがバイオテクノロジーに関する政策を見直し、世界貿易機構のメンバーが農業および、特に遺伝子組み換え作物に注意を向けた新しい貿易協議の準備をするならば、彼のアトランタ行きは実現することとなろう。
米国で40の遺伝子組換え作物が承認されているのに対して、現在EUで承認されているのは21にすぎない。GMOを含んだ品物を購入する際、消費者が見分けるのをEU規則が保証できると環境大臣が確証出来なかったため、EUは1998年にそれ以上のGMO作物の承認に対し差し止めを課した。
欧州人はGMOを含んだ食品に対して疑惑をもって見る傾向がある。彼らは一連の食品の不安と最近の狂牛病の発生とにより、騒然としている。
現在のEU規則は、ほとんどの遺伝子組み換えの成分を含んだ食品に対して表示の添付を要求するということではなくて、高精製食用油には適用していない。7月、EUの行政府であるEU委員会は、GMO表示が高精製されたコーンオイル、大豆油と大豆レシチンを含むすべての製品に必須であると提案をした。 ・・・生産の過程で外来DNAは破壊されてしまうため、遺伝子組み換えの含有物の存在を察知する方法などないのであるが。
米国と欧州の両方の食品製造業者はEU委員会の提案には反対である。 現行のEU規則でさえ、表示が公正な取引における不公平な抑制であると主張する米国政府にとって、それは無用であるとみなされるのである。米国の会社は、表示は不必要に消費者を不安に落とし入れ、販売を損なうものだと訴える。
しかしながらバーン氏は、欧州人はまさに彼らが何を買っているのかを知る権利があるのであると述べた。 「このことを呼びかける唯一の方法は、消費者に対し彼らが選択をするための必要な情報を提供することだ」と彼は述べた。
EU委員会の提案は米国に対し、重要な譲歩を含んでいる。 依然として表示しなければならないだろうが、仮にEUにおいて未承認の微量のGMOを含んでいてもそれをEUに輸入することができるわけである。 その点において、バーン氏によれば、「欧州には当委員会がすでに行過ぎているとみなす人たちもいる」といっている。
EU委員会の提案は加盟国と欧州議会により承認されなければならない。
15のEU加盟国の中で6ヶ月間の会長任期のあるベルギー政府は、今年末までにこの提案についての議論に決着をつけたいとしている。現在、表示義務化の提案が棚上げになっているため、「我々は、その【一時停止】問題を早急に開始する必要がある」とバーン氏は述べた。
「もし我々が(欧州において)遺伝子組み換え作物に対する潮流がまさに変わろうとする重要な時期にさしかかっているとしても、私は驚くことはないでしょう」。しかし、彼は、表示の必要性の受け入れは米国次第であろうと強調した。
EUの要求を満たす唯一の方法は、はるばると農場に立ち返って原料をGMか非GMに分別することであり、そしてほんのわずかな米国の農家のみがその努力をすることを望んではいないのである。
イリノイ州ドルトン市の農家エメット・セフトンは言う、従来のよく似た作物のうちから遺伝子組み換え作物の分別を保つのは、「ほとんど不可能です。」