反GMイネ生産者ねっとNo.399

2003年6月29日

毎日新聞

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小中学校で遺伝子授業

DNA取り出し組み換え実験も

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 遺伝子組み換え実験の授業をする小学校や中学校がでてきた。大学の先生や民間団体の専門化が、授業をサポートする。理科離れを食い止め、バイオテクノロジー(生物工学)を身近に感じてもらうのが目的だ。 【小島正美】

 

 「ブロッコリーの花芽から、遺伝子にDNA(デオキシリボ核酸)を取り出す実験をします。用意はいいですか」

 今月10から19日の間の4回、東京都杉並区の区立方南小学校(島貫金雄校長・

児童387人)で5,6年生を対象に行われたバイテク体験教室。食の安全情報を発

信している食品化学広報センター(東京都千代田区・正木英子代表)が開いた。

 

 センターの森田満樹さんらが「細胞の中にあるDNAは、動物や植物の形や性質などをつくりあげる設計図。2本の糸がねじれるような形で折り畳まれています。このDNAの特定の配列が遺伝子です」と説明し実験が始まる。

 

 すり鉢でつぶしたブロッコリーの花芽に、食塩と洗剤を混ぜた水を加え、ビーカーの上で茶こしでこす。この緑色の液体にエタノールをたらすと白い糸くずのようなものが浮く。これがブロッコリーのDNAだ。この取り出し法は化学メーカーで組織したバイテク情報普及会が考案した。

 

 指示通りに実験し、白いDNAが現れると、児童たちは「これが遺伝子か。すごいな」「DNAは食べられるんだ」など興味いっぱいの様子。

 

 森田さんは「遺伝子やバイオテクノロジーを身近に知ってもらう良い機会になっ

た」と出張講座の広がりを期待する。

 

 新潟県新津市では昨年9月から11月にかけ、全6中学で3年生を対象に発光クラゲの遺伝子を大腸菌に組み入れる、遺伝子組み換え実験を行った。発光クラゲの遺伝

子と大腸菌の入った溶液を急に温めてから冷やすと一定の確率で、光るたんぱく質をつくる発光クラゲの遺伝子が大腸菌に入り大腸菌が光るようになる。この実験教材は米国の学校では10年近く前から使われており、今回も米国製のキットを使った。

 

 今秋には福島市の私立福島東稜高校でも、組み換え実験を行う予定だ。

 

 新津市の中学で指導にあたった藤井智幸・新潟薬科大学助教授は「生徒たちの目は輝き、みな生命や遺伝子の不思議さに感動したようだった」と話している。