組換え植物利用計画の「農林水産分野等における組換え体の
利用のための指針」への適合について
組換え植物利用計画の概要
(1)利用計画名: トウモロコシC4型PEPC(ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ)
遺伝子を導入した組換えイネ(PE2、PE84)の開放系利用
(2)申請者:独立行政法人 農業生物資源研究所
(3)利用区分:開放系利用
(4)
組換え体
作製方法:アグロバクテリウム法
性  質
(ア)宿 主 イネ科イネ属イネ(Oryza sativa L.)
品種名:キタアケ
(イ)
主な供与
DNA:
a トウモロコシ由来のC4光合成回路代謝系遺伝子
【Zea mays L. 由来のC4 phosphoenolpyruvate carboxylase (C4-type PEPC)遺伝子】
b ハイグロマイシン耐性遺伝子
【Escherichia coli由来のhygromycin resistance遺伝子(hpt)】
c カナマイシン耐性遺伝子
【Escherichia coli由来のkanamycin resistance遺伝子(nptII)】
(ウ)ベクター:pIG121Hm由来のpIG121Hm-PEPC
(5)利用目的:我が国においての栽培及び育種母本等として利用
組換え体利用専門委員会が本利用計画の指針への適合を認める理由
当該組換え体については、トウモロコシ由来のC4型ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(C4-type PEPC)遺伝子は安定して後代に遺伝することが確認されている。
当該組換え体については、模擬的環境利用において形態及び生育特性、生殖・繁殖特性等の調査を行った。地上部全体の重量について、供試した2系統の組換え体のうち1系統のみに差異が認められたが、組換え体と非組換え体との間にこれらの特性について基本的な差異は認められなかった。
また、当該組換え体を用いた調査では、花粉の飛散性について組換え体と非組換え体との間には差異は認められなかった。
更に、イネに関して有毒物質産生の報告はなく、当該組換え体を用いたアレロパシー物質に関する実験においても対照の非組換え品種と差のある結果は得られていない。
以上から、本委員会は当該組換え体の我が国の環境に対する影響は非組換え体と同程度であり、本計画は指針に適合しているものと認める。