04年6月から予定されていた
遺伝子組み換えスギ花粉症緩和米の隔離ほ場栽培試験の中止決定




5/27、JA全農は6/1に予定されていた遺伝子組み換えスギ花粉症緩和米の隔離ほ場栽培実験を中止する発表をしました。

その一部を引用すると、

『JA全農では、スギ花粉症緩和効果が期待される遺伝子組換えイネの生物多様性影響評価(環境安全性試験)のために、神奈川県平塚市にある営農・技術センター内隔離ほ場において栽培試験を計画していました。しかしながら、風評による農業等への影響を懸念する声が強いことなどから、関係機関と協議のうえ中止することとしましたのでお知らせします。』

という内容のもの。

全国の団体・個人による署名活動、神奈川県、平塚市などの自治体からの中止申し入れなどもあり、それが功を奏しました。



以下、ストップ遺伝子組み換え汚染種子ネット、入沢牧子さんのコメント。

上記発表の翌日、国会院内集会が行なわれ、農林水産省、農業生物資源研究所、全国農業協同組合連合会の出席がありました。

院内集会に向け、急きょ集められた署名は、
賛同署名した団体
25
届出のあった団体
342
以上会員数
67739名
個人署名
1588名

合計署名数
69295名
でした。なおこの署名は農林水産省に渡されました。

院内集会を始める前に、JA全農、農水省、資源研にご協力いただいた署名と、同内容の申し入れを、今回平塚市での反スギ花粉症GMイネのために奮闘された方々に渡していただきました。

事前に申し入れと署名のことを伝えていただいてましたが、全農は、拒む姿勢を見せ、隣の資源研や農水が受け取るだけと、促す一場面もありました。

全農は、前日の26日に、隔離圃場での実験栽培を中止とホームページ上に発表しました。

その経緯と今後の方向をお伺いしましたところ、中止は、風評被害を最大の理由とし、全国農業協同組合中央会より中止にするよう要請を受け、決めたという報告をされました。(会員組合員から、平塚以外の一般圃場でやるんじゃないか、面積もずっと広く栽培するんじゃないかと誤解された問い合わせがあったようです。)

今後の取り組みに関して、この組み換えイネの技術には将来性があり、今後も取り組んでいくとのお話しでした。

資源研の説明でも、圃場での栽培に関しては、全農・営農技術センターにお聞き下さいと言われ、中止にしたはずなのにと思うものでした。

そこを確認しましたら、昨日の場では、温室の中で栽培することを考えていると言われていました。

最初中止に喜んだ平塚の方々も、だんだん止めたんではないとの思いから、穏やかではいられなく、全農に止めるようにと発言して下さいました。

スギ花粉症GMイネの問題点としたところも、多くのヶ所で、こちらもよく分かっていないので、そのためにも研究をし続ける必要があると重ねて話されていました。

私たちが納得のできない実質同等性で受け入れを強行し、今や、あれは誰か説明を間違っていて、実質同等とは、食品の安全性を考えた時に実質同等であって、作物自体は、違うというような「アラッ?」とこちらが思うようなお答えとなっていました。

全農の在り方、遺伝子組み換えの考え方等、基本的な部分を再度、きちんと問い直しながら、いい加減なまま、どんどん思いついた分野でGM技術を応用していくことのないよう、多くの方が、考える必要をとても強く持ちました。

温室の中だから良しなのではなく、全農がこれからもGM作物を作ろうとする姿勢が問題です。これからの私たちの食糧を、農業をどのように考えていくのかが問われています。
また、私たちは、言い続けなければいけないと思っています。

どのように取り組んでいくかは、また、相談をしながら、お知らせさせていただきます。一緒に考えましょう!

簡単な報告ですが、昨日のお知らせをさせていただきました。今後とも、私たちの暮らす社会がより良いものとなるようにと考えます。

賛同署名、ありがとうございました。




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