除草剤グリホサート耐性稲の育成に関する共同研究契約書
推進要領
別表 A
(モンサント・生物素材)

別表 B
(甲・生物素材)
除草剤グリホサート耐性稲の育成に関する共同研究契約書の一部変更に関する覚書

この契約における問題点(by 河田昌東氏)



注釈:
右に掲載したものが96/12/12付で、愛知県農業総合試験場、日本モンサント社、米国モンサント本社との間で交わされた契約書です。

愛知県の農家、松沢政満氏の求めにより愛知県情報公開条例に従って公開されました(「行政文書一部開示決定通知書:12令農総試第178−5号、平成12年11月2日付」 愛知県知事 神田真秋 印)。

この契約書には、ほかに推進要領、別表A、別表Bが添付されています。

そして、00/03/31付で契約内容を一部変更するための覚書が交わされています。

この共同研究のための契約書は02年まで、毎年更新されていたことになります。


除草剤グリホサート耐性稲の育成に関する共同研究契約書

 愛知県農業総合試験場(以下「甲」という。)、日本モンサント株式会社(以下「乙」という。)とモンサント・カンパニー(以下「モンサント」という。)は、別添の推進要領第1条から第15条に規定される条件に従い、共同研究の実施と成果の取扱いに関する本契約を締結する。

第1条 共同研究の概要 
甲及び乙はモンサントの協力及び援助により共同して以下の研究を行う。
研究目的
稲栽培における雑草防除の問題に対応するため除草剤グリホサート耐性稲品種を育成する。
研究内容
甲が育成した稲品種にモンサントが有するグリホサート耐性遺伝子でもって、除草剤グリホサート耐性稲品種を育成するための系統を作出する。
実施期間
本研究の実施期間は、本契約締結日から1997年3月31日までとするが、以降2000年3月31日まで1年毎の契約更新を認める。

第2条 共同研究の分担
甲、乙及びモンサントはそれぞれ次のように研究の分担を行うものとする。
甲は、乙によるパーティクルガン法による遺伝子導入を含む組換え体の作出、選抜、環境安全性評価及びそれに付随する研究を担う。また、甲は、パーティクルガン法による遺伝子導入を行う施設を提供する。
乙は、パーティクルガン法による遺伝子導入を含む組換え体の作出、選抜、環境安全性評価及びそれに付随する研究を担う。
モンサントは、植物にグリホサート耐性を付与する遺伝子及び当該遺伝子を含む植物に関する諸権利を有し、当該権利は当該植物及びその用途に関する技術情報及びノウハウの所持、ならびに、植物、種子、遺伝子及びその用途に関する特許権を含むものであるが、モンサントは、グリホサート耐性遺伝子及びその組換え稲の作出及び評価のためのバックグラウンド技術情報、並びに、本共同研究を実施する目的で上記に関するモンサントの権利についての制限されたライセンスを提供する。
本共同研究は、主に甲の場所において実施するが、甲、乙及びモンサントのそれぞれは、相互協議のうえ、自己の場所でも研究を実施することができる。
甲、乙及びモンサントはそれぞれ自己の分担した研究に要する費用を負担する。

第3条 共同研究の運営管理
本共同研究の効率的な運営のために甲及び乙の代表者、さらにモンサントが選択した場合には、これに加えてモンサントの代表者からなる管理運営委員会及び計画実行委員会を設ける。
ノウハウ、及び生物素材などの権利の保護、並びにそれらの第三者への流出防止には細心の注意を払うものとする。
甲及び乙は本共同研究契約に基づいて作出された稲と野生稲との間で交雑の問題があることに合意し、当該交雑が生じないようグリホサート耐性遺伝子の取扱いに注意を払うことを約束する。
本共同研究は甲、乙、又はモンサント、いずれの当事者の意志によっても中止することができるが、予め合意された事項についての守秘義務を負う。

第4条 成果物及び権利の取扱い
本共同研究の成果物であるグリホサート耐性稲系統の商品化については、本共同研究契約に基づく作業の完了後、甲、乙、及びモンサントの協議によってのみ、決定される。本共同研究契約の目的のため、研究成果として得られたノウハウは、各当事者が他の当事者のバックグラウンド秘密情報及び生物素材を尊重する場合に限り、甲、乙、及びモンサントが共有し利用することができるものとし、本共同研究契約の成果として甲が得た特許権に関しては、モンサントは甲のバックグラウンド秘密情報及び生物素材を尊重する場合に限り、これらを無償かつ非独占的に使用することができる。


 以上より、甲、乙及びモンサントは、別添された本契約の一部を構成する推進要領の条項に従い、上記の合意を確認し、その証とするため本契約書に署名し相互に交付した。

 日付:1996年12月12日
愛知県愛知郡長久手町大字岩作字三ヶ峯1−1
   愛知県農業総合試験場
   場長 小出仁士
東京都中央区日本橋箱崎町41−12日本橋第二ビル
   日本モンサント株式会社
   代表取締役社長 通筋雅弘

アメリカ国、ミズーリ州、セントルイス、チェスターフィールドパークウェイノース700
  モンサントカンパニー
  Director, Roundup Ready Crops     Denise Bertrand