遺伝子操作食品を考える中部の会では、2024年3月31日、第27回遺伝子組み換えナタネ抜取隊を行いました。おかげさまで、今回の抜取隊を無事に追えることができました。多くのみなさまの参加ご協力に深く感謝します。ありがとうございました。

第5回(2009年)より、第27回までのセイヨウナタネ抜取本数の推移
第23、24、25回はコロナ禍のため中止


今回の抜取隊は、三重県の国道23号四日市市『西末広町』〜津市『上浜町三』までの約26.6km区間で行いました。うち、A班では、当初予定していなかった、四日市港内の一部を含め、鈴鹿市『北玉垣町』までの約12kmも対象にしました。以上の区間でも、多くのセイヨウナタネの自生が確認されたためです。

今回の抜取隊では、439本のセイヨウナタネを抜取駆除することができました。ただし、中央分離帯のセイヨウナタネについては、危険を伴うため抜取作業は行わず、目視による自生本数(65本)の確認のみとしました。

抜取をした439本のセイヨウナタネのうち、52本について、試験紙による簡易検査を行いました。

その結果、約77%がGМ陽性(ラウンドアップ耐性:約56%、バスタ耐性:約23%)でした。

そのうち、雑種を疑わせる D031 と両除草剤耐性を示した F009 について、農民連食品分析センターにPCR検査を依頼しました。
今回は、参加人数が30名と比較的少人数での抜取隊となりました。そのため、各班の行動距離を長くとったこともあり、抜取作業は国道23号の東側歩道のみで、西側歩道までは行えませんでした。またさらに、中央分離帯での抜取作業は、参加者の安全を考慮して、目視による本数の確認のみにとどめたため、抜取本数は実際より少ない数となりました。

RR、LL耐性の個体数について
過去10年以上、LL(除草剤バスタ耐性リバティリンク)の確率が高かったのに対し、ここ2年ほどはRR(ラウンドアップ耐性)の個体数が逆に増加しています。詳しいことはわかりませんが、カナダでのGМナタネの作付けの多くが、再び、ラウンドアップ耐性に移行しているのかもしれません。

試験紙の感度バラつきについて
ここしばらく、簡易検査に使用するイムノクロマト法試験紙の感度に大きなバラつきがみられ、検査の精度が落ち、正確な結果が出るまでにかなりの時間がかかってしまう傾向があります。そこで中部の会では、今回の抜取隊から、検査に使用した試験紙を台紙に貼り、時間経過の後にも再確認できるようにしました。

今回使用した試験紙は、A、B班では、RR検出用が Neogen 社製、LL検出用が Romer 社製、C〜F班では、RR、LL検出用ともに Romer 社製 でした。とくに、Neogen 社製の試験紙は感度が悪く、検査の終了を示す指標線が不鮮明または現れない例が多くみられます。

検体のナンバリングについて
検体番号は、例として、240331-D031と表記し、調査の日付と班を特定できるようにしました。ただし、本文中では日付は省略しています。
津市河芸町上野(D031)/雑種? PCR検査
D031 の簡易検査結果
試験紙を台紙に貼り付けています
津市栗間町屋町『三重大学前』付近
今回の抜取隊には、小林大木企画さんの
取材を得ました
津市栗間町屋町・栗間簡易郵便局付近
(F009 RR/LL両耐性 PCR検査)
F009 の簡易検査結果
F班のサンプル
GМナタネについて
河田代表のミニ講義