遺伝子組換え食品を考える中部の会では、雑種ナタネの自主調査を、2021/7/4、三重県の国道23号、四日市市『松泉町』交差点から松阪市『小舟江町北』を経て、関連会社周辺、中勢バイパス松坂市「嬉野新屋庄ランプ」から鈴鹿市のサーキット道路までの約66kmの区間で行いました。

今回の調査も、コロナ禍の影響を考慮し、前回、4/11同様の方法と経路としました。

走行する車中からの目視による確認によるため、抜取りできた個体数は実数とは一致していません。

雑種ナタネの調査について
中部の会では、雑種ナタネの調査は毎年6月下旬から7月上旬を適期として行っています。根拠としては、春、セイヨウナタネとハタザオガラシやイヌカキネガラシなどの雑草が交雑し、発芽・成長・開花し、加えて、多くの雑種個体がこの時期に確認されるためです。

鈴鹿市『寺家5』の南
(B3〜B7の群生)
今回の調査では、セイヨウナタネ42本、雑種ナタネ6本を抜取り。うち、セイヨウナタネ25検体、雑種ナタネは全数についてイムノクロマト法の試験紙による簡易検査を行いました。

雑種ナタネでは、6検体中4(RR+:1、LL+:3)が、セイヨウナタネでは、25検体中20(RR+:3、LL+:17)がGM陽性でした。

雑種ナタネの陽性率は66.7%、セイヨウナタネでは80.0%でした。くわしくは、左の集計表をご参照ください。

関連会社では、昨年より、三重大学以南の抜取り作業を4回ほど実施しているためか、今回、その区間で確認できたナタネの数は少なかった。

A-7Z(雑種)LL+
A-10Z(雑種)両-
B1-Z(雑種)LL+
B2〜7(雑種とセイヨウナタネの群生)
(右の個体が B2のセイヨウナタネ)
四日市港に設置された「エアーシャワー」の効果
今回の調査での所感として、まだ判定はしにくいところですが、、四日市港に2019年設置された、輸送トラック清掃のための「エアーシャワー」の効果が着実に上がってきているように思われます。

民間の努力に対する国の態度
国からは自生の拡散はないとのお墨付きがあるにもかかわらず、また、トラック輸送によるナタネ種子こぼれ落ち防止のための規範なども示されない中、抜き取り作業の継続、エアーシャワー装置の設置、中勢バイパス通行禁止などの対策を実施されている関連会社の努力に敬意を表する次第です。

こうした民間の努力に対し、国はその成果について、まったく無視し否定する態度をとり続けています。ひたすら限定的な調査の結果だけを踏まえて「環境への影響なし」という国による判定は非科学的です(こちらをご参照ください)

私たち中部の会では、これからも、国内に遺伝子組換えナタネの拡散をさせないための活動を続けてゆく所存です。



高木仁三郎市民科学基金
中部の会では今年度、高木仁三郎市民科学基金からの助成を得て活動しています。検査用試験紙をはじめ、GMナタネの調査活動に大きな助力となっています。

高木仁三郎市民科学基金に対し謝辞を申し上げます。