ドキュメンタリー映画
  『種子-みんなのもの?それとも企業の所有物?2018/3/17(土)

日 時:2018年3月17日(土)
場 所:
鯱城ホール(伏見ライフプラザ5階)
名古屋市中区栄1丁目23番13号

講 演:河田昌東さん『キメラ? GMナタネの交雑』

八田純人さん『GM交雑種子の遺伝子解析で見えてきたこと』

「種子を支配するものが世界を支配する」と言われますが、今や世界の種子は遺伝子組換え(GM)企業が60%以上を独占する時代となり、GM栽培の更なる拡大を狙っています。

GM企業がラテンアメリカで農民による種子の保存や交換を禁じる『モンサント法』を定めようとした事に対し、農民、市民が大規模な反対運動に立ち上がった。彼らが種子を守る闘いを記録したドキュメンタリーです。

一方日本政府は2017年日本の種子を守ってきた『種子法』を「2018年3月をもって廃止する」と突如決めてしまいました。GM企業は日本の食糧支配とGM栽培を虎視眈々と狙っており、種子法廃止の影響は測りしれません。

今回は、印鑰智哉さん(いんやくともや:日本の種子を守る会事務局アドバイザー)監修による新作映画『種子』の上映にあわせて、八田純人さん(農民連食品分析センター室長)、河田昌東さん(遺伝子組換え食品を考える中部の会代表)による講演とパネルディスカッションをお願いしました。

以下画像、映画『種子』より

Part1 映画会

予告編はこちらで
邦  題:
ドキュメンタリー映画
『種子−みんなのもの?それとも企業の所有物? 40分
原  題:
SEMILLAS, ?bien comun o propiedad corporativa?
製  作:
Radio Mundo Real
ラテンアメリカコスタリカ、メキシコ、ホンジュラス、コロンビア、グァテマラの8つの団体による共同制作
製 作 年:
2017年
言  語:スペイン語
日本語版:
字幕/吹替監修 印鑰智哉

同時上映:
『日本の種子はどうなる』
日本での主要農作物種子法廃止問題を含め、本編の解説編として印鑰智哉監修。ラテンアメリカの状況を知る上でも、種子のグローバルな問題を知る上でも参考となる一編


Part2 講演とパネルディスカッション
河田昌東さん 『キメラ?GMナタネの交雑』 動画再生:36:22
セイヨウナタネ輸入港である、四日市港、名古屋港を中心で広範囲に起こっている遺伝子組換えナタネの自生。それが起こす同じアブラナ科の雑草や作物との交雑は見過ごすことができない。その現状を報告していただきました
河田昌東さん
元名古屋大学助手
遺伝子組換え食品を考える中部の会代表

八田純人さん 『GM交雑種子の遺伝子解析で見えてきたこと』 動画再生:36:00


セイヨウナタネ輸入港周辺で何が起こっているのか。中部の会の調査から得られる多くのGMナタネのサンプルを分析するなかでみえてくることとは・・・
 八田純人さん
農民連食品分析センター所長

パネルディスカッション/Q&A

動画再生:18:49



映画『種子(たね)
印鑰智哉氏のコメント
ラテンアメリカの国々を通称モンサント法案が駆け抜けた。モンサント法案とは、農民の種子の権利を奪い、毎回、政府に登録された種子を買わなければ農業ができなくするものだ。

もし、種子を買わずに自分が保存した種子を使って栽培すれば、最悪、犯罪者として捕まったり、収穫物も売ることができずに没収される。

世界で種子企業をもっとも買収し、市場に大きなシェアを持つモンサントを利するものとしてモンサント法案と呼ばれている。

しかし、収穫物の中から次の耕作のために種子を取っておくということは古来、どこでも行われてきたことだ。それが犯罪にされるということなんてありえないだろうと思われるかもしれない。残念ながら、この動きは現在、ラテンアメリカだけではなく、アジア、アフリカ、欧米でも、そして、日本でも進んでいる。日本でも企業の知的所有権のある種子を保存したり、他の人と共有したりすればそれは種苗法違反となる。昨年大きな反対の中で成立した共謀罪でも種苗法は対象となっている。種苗法は企業の知的所有権を守るための法律である。

日本では種子法廃止の法案可決
一方で日本ではコメ、大豆、麦に限られるが、その種子の生産と供給を義務付け、優良品種の開発を国の責務とした法律、主要農作物種子法が存在しており、農家は安価な価格で質の高い種子を手に入れることが権利として保障されていた。しかし、この法律が民間企業の利益を損なうとして、その廃止が昨年4月に決まってしまった。今年の4月以降、主要農作物種子法は廃止されてしまう。

この世界で進んでいる農家の種子の権利を奪う動き、その背景にはモンサントなどの種子企業が開発した種子を知的所有権をたてに独占し、それを世界の農家に押しつけようとするものだ。種子は企業の独占物となり、農家は企業の富を増やすだけの契約労働者の地位に落とされる。こうした独占の動きに対して、企業の独占物ではない、自分たちの種子を守ろうという動きが世界で本格的に動き出している。

この世界で進んでいる農家の種子の権利を奪う動き、その背景にはモンサントなどの種子企業が開発した種子を知的所有権をたてに独占し、それを世界の農家に押しつけようとするものだ。種子は企業の独占物となり、農家は企業の富を増やすだけの契約労働者の地位に落とされる。こうした独占の動きに対して、企業の独占物ではない、自分たちの種子を守ろうという動きが世界で本格的に動き出している。

Radio Mundo RealというNGOが制作したドキュメンタリー映画『種子ーみんなのもの?それとも企業の独占物?』(原題:SEMILLAS ?Bien comun o propiedad corporativa? はコロンビア、グアテマラ、コスタリカ、チリ、ブラジルなどの国々の農民運動に密着しながら、このモンサント法案との闘いや先住民族や農家の種子の権利を守る運動の重要性を表す作品となっている。
今回、私(印鑰智哉さん)とアジア太平洋資料センター(PARC)の共同プロジェクトとして、この日本語版を制作することを企画し、クラウドファンディングを実施。目標を大幅に上回る支援をいただき監修制作中。3月上旬完成をめざして現在制作最終段階に入っている。

この日本語版の後には、日本での主要農作物種子法廃止問題含めた解説編も付けた。ラテンアメリカの状況を知る上でも、種子のグローバルな問題を知る上でもぜひ、ご活用いただきたい。
遺伝子組換えを拒否 国から出て行け

賛同団体・個人のみなさま ご協力ありがとうございました

賛同団体 敬称略
土こやしの会/食と環境の未来ネット/くらしを耕す会/あいち生協/福津農園/土と生命を考える会/道 長

賛同個人 敬称略
斎藤まこと/水原博子/榊原美紀/木山純子/石黒道子/井上弓子/南木京子/加藤千眞子/村上喜久子/高橋智津子



主 催:遺伝子組換え食品を考える中部の会