遺伝子組換え食品を考える中部の会では、農民連食品分析センターからの依頼を受け、2017/4/15、日本共産党国会議員・武田良介氏と市田忠義議員事務所の名古屋港でのGMナタネ自生視察に同行しました。

現在、国会では、カルタヘナ議定書の名古屋クアラルンプール補足議定書の締結のための審議が行われています。今回の現地視察が、その行方に大きく貢献してくれることを望みます。

今回の武田議員の視察は、名古屋港の知多市北浜埠頭の飼料会社周辺(名南コンビナート内)。北浜埠頭から西知多産業道路を経て、東海市『東海』交差点を県道55号へ進んだ神宝町三洋化成工業周辺で行いました。このエリアを視察に選んだのは、直近の4/13中部の会で調査を行っており、汚染の状況が把握できていたため。



北浜埠頭の飼料会社前

雑種と思われるナタネ(GM陰性)
知多市北浜埠頭の関連飼料会社はJ5岸壁付近(名南コンビナート)にあり、同ふ頭G1桟橋周辺とともに名古屋港の穀物基地とも呼ばれ、食品、飼料関連の事業所が集まっています。

視察を行った飼料会社では飼料用としてナタネも扱っている模様で、この事業所から西知多産業道路、県道55号から名古屋市の国道23号竜宮インターを経て四日市以西に向けてナタネの陸送を行っていることが、中部の会の調査でわかっています。しかしながら、四日市市の国道23号『西末広町』以西については、四日市港からも松阪市にセイヨウナタネの陸送が行なわれており、それぞれの輸送経路が交錯してしまうため、北浜ふ頭からのセイヨウナタネの輸送先が特定できていません。

北浜埠頭の飼料会社前のセイヨウナタネ(LL+)

北浜埠頭の飼料会社前のアブラナ科雑草
これら2社の輸送ルートを合わせると、国道23号の愛知県から三重県までの100kmがGMナタネによって汚染されてしまっていることになります。

周知のように、三重県の長島町周辺は食用なばなの生産では全国一の生産を誇る地域です。

三重県では、2010年Cop10開催と同じ時期に、今まで三重県多気町で行われてきた三重なばなの種子採取をあきらめ、一般の種苗会社への業務委託を発表しています。

これは三重なばなへのGM遺伝子汚染、あるいはその風評被害を避けるため、やむを得ず取られた措置です。
この一件はカルタヘナ議定書で採択された、名古屋クアラルンプール補足議定書で問題となる『責任と修復』に該当します。現行のカルタヘナ議定書国内法では『責任と修復』に関する部分が不足しています。そのため、GM生物の輸送に伴う汚染や、風評被害による経済的損失が生じた場合の担保がなされていません。

現在に至るまでに、GMナタネの自生に付いて行政と市民との間には見解の相違があります。
●行政側:
GMセイヨウナタネの自生は確認されるが、拡散し、環境への影響はない。

交雑について、ハマダイコン、在来ナタネなど、近縁種との交雑は確認しているが、イヌガラシなどとの交雑、世代交代の可能性は少ない。

●市民側:
環境への拡散、影響が起きていないのは、全国規模での市民による監視、駆除活動が行われているからである。

自生の状況、形状などから判断して、他のアブラナ科雑草などとの交雑が起きている。このまま放置すると、環境への影響が懸念される。
遺伝子組換え作物(食品)の輸送に関して、こぼれ落ちなどによる、環境への放逸、拡散が起きないよう、ガイドラインによる防止策が必要である。

さらに、GM食品のこぼれ落ちなどによる、何らかの影響を考慮し、その場合の責任と復旧のための措置などを明確にする必要があります。補足議定書の締結にあたり、以上の部分がいかに明文化されるかが問題になるところであり、今後の動向が気になるところです。

東海市新宝町三洋化成工業付近
(写真左が雑種? 右端はハタザオガラシ)

 → 武田議員に抜取りをしていただきました
(後方にセイヨウナタネ)

→ 簡易検査ではGM陰性でした

佐々木さん(左)のセイヨウナタネはRR+

上の画像、武田議員の後方の個体(GM陰性)

簡易検査の様子

試験紙による簡易検査を行いました
この日採取した5本のナタネを検査した結果、雑種と思われる三洋化成前と、北浜ふ頭の飼料会社前の2個体については簡易検査でGM陰性。3本のセイヨウナタネについてはRR+1本、LL+1本という結果でした。

名古屋港北浜埠頭からのナタネの輸送道路沿いには、カラシナ、在来ナタネ、イヌカキネガラシ、ハタザオガラシなどのアブラナ科の雑草が繁茂しており、ところどころにセイヨウナタネが生えている状態で、雑種を思わせる個体も多く確認されました。中部の会では後日(2017/04/30)あらためて、名古屋港の雑種調査の日を設けました。

このように、零れ落ちによるナタネの自生が多いことと、雑種と思われる個体が多く確認されることに武田議員もおどろきの様子でした。GMナタネの自生の状況を十分に把握していただくことができました。

武田議員にはお忙しいスケジュールの中、GMナタネの自生の様子を視察いただき感謝します。ありがとうございました。