2015/5/31
往路に対して復路は、ナタネ自生の頻度が低いため、重点区域のみでの抜取作業としました

遺伝子組換え食品を考える中部の会では、今回で17回目となる、遺伝子組換えナタネ抜取隊を、64名の方々の参加協力を得て行うことができました。

今回より、国道23号線に自生するナタネを効率よく抜取駆除できるよう、関連の企業さんと作業区域を分担しています。中部の会による作業区域を、鈴鹿市『肥田町』から津市『上浜町2』の約18kmとし、それ以南の松坂市までの遠方区域を関連の企業さんにおねがいしています。

なお、鈴鹿市『肥田町』以北、四日市港までは、遠方であることと、歩道がなく、危険であるため、抜取作業は行っていません。

とくに今春は、中部の会で抜取隊に先駆けて行う下見調査(5/17実施)で、非常に多くのセイヨウナタネが確認されていたため、一名でも多くの参加者を募集させていただきました。それに応じ、参加いただいたみなさまに、深くお礼させていただきます。どうもありがとうございました。
結果の詳細はこちら
今回の抜取隊では1チーム3〜5名とし、とくに津市方面に向かう東側車線に重点を置き、それぞれの担当する作業区間も、従来より約300m距離を延し 1.8kmほどとしました。わずかな距離の延長のように思えますが、その間をいつもより多くのナタネを抜取り・記録、さらに白子コミュニティセンターに戻ってのGM検査、集計には、大変な労力と時間を要する作業となります。
抜取本数が多く、仕分に一苦労(A班)
舗装隙間のナタネは抜取にくい(F東班)
女性の参加者も真剣そのもの(F東班)
歩道脇の水田の土手にも群生
白子コミュニティセンター駐車場で
抜取り本数が多く、記録の集計もたいへん

白子コミュニティセンターで簡易検査
GMナタネの自生問題は、食品や飼料などに関連するメーカーによる陸路輸送が原因となっています。大豆やトウモロコシと比べて小さな種子のナタネでは、こぼれ落ちによる拡散が起こりやすいため、その駆除に苦慮します。

■今回の抜取隊での留意点
歩道があり、安全確保のしやすい、鈴鹿市『肥田町』以南とした
抜取隊員の送迎に不利な、津市『上浜町2』以北とし、以南の関連企業さんとの分担を明確にした
現場での記録を効率化するため、1個体ずつの抜取り地点でなく、受持ち区域をいくつかのエリアに分けて本数を記録した
分離帯と歩道の抜取り数を明確に記録
経験者が採取ナタネの仕分け、検査をサポートする
各班の担当距離を300m延ばし、南方面への往路のみの作業とした
北方面への復路は、自生の多い区域のみとした

全国的に行われているGMナタネの自生調査と駆除活動も、年々、回を重ねるごとに、データとしてあがってくる情報も、精度の高いものになってきています。

中部の会での抜取隊でも、抜取られたセイヨウナタネ、雑種?などが、整然と区別されるようになってきました。また、国土交通省さん、関連企業さんなどとの情報交換、連携がとられるようになっています。

現在、環境省との共同で行われている『隠れGMナタネ』についての研究、そして、京都学園大学教授・金川貴博氏の協力を得て進めている、雑種と見られるナタネについての研究も、少しずつ進んでいます。

今回の抜取隊では、特に精度の高い簡易検査の必要な『隠れGMナタネ』の選抜を、後日、別の機会(6/7 に実施)に行うこととし、雑種と見られるGM陽性個体の選抜を優先しました。
当日の動画