遺伝子組換え食品を考える中部の会 講演会
後 援
・名古屋市教育委員会
・愛知県教育委員会


食糧の輸入大国日本には大量のGMダイズ、トウモロコシ、ナタネ等が輸入され、食用油や家畜飼料、加工食品となって食卓に上っています。アメリカやカナダ、ブラジルなどGM作物の栽培国では環境汚染や健康被害など、様々な問題を起していますが日本では全く報道されていません。また、特定の除草剤耐性作物を繰り返し栽培した結果、除草剤が効かない耐性雑草がはびこり、その対策として今回、更に毒性の強い枯葉剤(2,4-D)耐性のGM作物が登場しました。これはベトナム戦争で使われ、奇形や癌など、今なお被害が続いています。私達がこの枯葉剤まみれのGM大豆などを食べる日が目前に迫っています。この問題に早くから警鐘を鳴らして来られた印鑰(いんやく)さん、GMに詳しい河田さんにお話を聞きます。

ポスト・ラウンドアップとして、有機塩素系農薬が再浮上する中、ダイオキシン汚染の危険が再来しようとしています。

印鑰智哉(いんやくともや)氏プロフィール
1986〜91
アジア太平洋資料センター
91〜94
ブラジル社会経済分析研究所
1994
Frontier Internship in Mission Jenova
1997〜01
JCA-Net 事務局長
2001〜10
グリーンピース
2011/02
ピープルズプラン21世紀アーカイブプロジェクトよびかけ
2011〜
オルター・トレード・ジャパン

印鑰氏の講演資料より
貴重な森林が焼かれ、大豆畑に
無差別な、飛行機によるGM大豆への
除草剤散布で、住民の健康被害続出
「農薬は自然と人々、我々の未来を殺す」とある

講演をビデオでご覧になれます
第一部: 講演:印鑰智哉(いんやくともや)氏
『GM栽培国に広がる健康被害、さらに枯葉剤!』

第二部: 講演:河田昌東(かわたまさはる)氏
『枯葉剤GM作物の輸入間近!どうなる?日本』

質疑応答

表紙へもどる

解 説
2015年3月現在、日本で承認されている除草剤ジカンバ、2,4-D(アリルオキシアルカノエート系)耐性GM作物
ダウ・ケミカル(ダウ・アグロサイエンス)社
・除草剤2,4-D(アリルオキシアルカノエート系)及びグルホシネート(バスタ)耐性
ダイズ
1品種
・除草剤2,4-D、グリホサート及びバスタ耐性
ダイズ
1品種
・複数の害虫抵抗性、除草剤バスタ及び2,4-D耐性
トウモロコシ
20品種
・除草剤2,4-D耐性
トウモロコシ
1品種

モンサント社
・除草剤ジカンバ耐性(2015年1月、米国でも承認)
ダイズ
1品種
・除草剤ジカンバ及びグリホサート(ラウンドアップ)耐性
ダイズ
1品種
・除草剤ジカンバ及びバスタ耐性
ワタ
1品種
26品種

・バスタ(有効成分:グルホシネート)はバイエル・クロップサイエンス社の除草剤
・ラウンドアップ(有効成分:グリホサート)はモンサント社の除草剤

2015年3月26日現在、日本で承認済GM食品(作物)は8品目(ジャガイモ、大豆、テンサイ、トウモロコシ、ナタネ、ワタ、アルファルファ、パパイア)、300品種

日本では、ここ3年ほどで、ジカンバ、2,4-D耐性GM食品が次々承認されていますが、米国では、今年1月にやっと、ジカンバ耐性大豆が承認されたというのが現状です。米国で未だ承認されてもいないのに、すでに日本では、着々とそれが進んでいるという現実を見るにつけ、何らかの圧力を感じざるを得ません。

2,4-D(2,4-ジクロロフェノキシ酢酸)
米国はベトナム戦争で、枯葉作戦(Operation Ranch Hand)と称し、数種の『枯葉剤』を使用しました。その総量は10万キロリットル以上といわれています。ベトナムの森林に潜むベトナム解放戦線軍(ベトコン)をせん滅するには、農地・森林ごと枯らしてしまうのが効果的というのがその理由。

代表的な枯葉剤は次の2種類。まず、あらゆる植物を枯らしてしまう非選択性除草剤(通称エージェント・オレンジ)。そして、とくにベトナム人の主食であるイネを枯らす目的の選択性除草剤エージェントブルー。(爆撃用の容器に、それぞれオレンジやブルー、白、紫、虹などの札が貼られていた)
2,4-Dは、2,4,5-T(トリクロロフェノキシ酢酸)のほか、10種類以上の除草剤と混合され、オレンジ剤などに使われたといわれています。また、オレンジ剤は、2,4-Dと2,4,5-Tを混合する過程でさらに多くのダイオキシン(TCDD)が生成され、含有していたことが問題になっています。

2,4,5-Tには、環境ホルモン(内分泌かく乱物質)と同じ作用をする猛毒のダイオキシン(TCDD)が含まれており、その使用は禁止されている。

2,4-Dはその製造過程で、また、焼却しても、TCDDを発生します。この除草剤は、1950年に農薬として登録されており、使用は禁止されていません。
ジカンバ
日本ではおもに、ゴルフ場などの芝、樹木などに使われている。イネへの利用も一部あるようですが、作物への利用はほとんどない


ジカンバ耐性GM大豆の承認に関連した政府の対応
2014/8月、ジカンバの食品残留基準値について、政府は次のような改正を行った。

玄米、とうもろこしについては変更がないものの、小麦では4倍、大麦14倍、大豆にいたっては200倍も残留基準が緩められています。

このような改正は、1996年、日本にラウンドアップ耐性GM大豆が輸入されるにあたり、食品では6ppm から20ppm へ、家畜飼料中の基準は15ppm から200ppm に残留基準が引き上げられたという経緯がある。

現在、複数の除草剤に耐性のスタックGM作物が認可を得ており、ラウンドアップ、バスタ、2,4-D、ジカンバなど、残留する化学物質は複合され、今後、ますます危険性が高まるという結果になりかねません。
食品名
改正後
(ppm)
改正前
(ppm)
米(玄米)
0.05
0.05
小麦
2
0.5
大麦
7
0.5
とうもろこし
0.05
0.05
大豆
10
0.05
さとうきび
1
0.1

賛同団体:
食と環境の未来ネット/くらしを耕す会/オアシス21オーガニックファーマーズ朝市村/土こやしの会/道 長/自治労名古屋学校支部/GOEN農場/あいち生協
賛同個人:
水原博子/木山純子/榊原美紀/井上弓子/加藤千真子/村上喜久子/石川大介/高橋智津子/竹内康子/石黒道子/杉野桂子/野間とし子/久野健一(佑佑園)
ご協力ありがとうございました
主 催遺伝子組換え食品を考える中部の会
事務局食と環境の未来ネット
電 話052-937-4817(平日10:30〜17:00)
HPhttp://www.kit.hi-ho.ne.jp/sa-to/