福岡県博多港でも、多くのGMナタネの自生が確認されていることから、実況の検分をしました。

調査にあたり、食と農を考える市民の会・福岡さんと、グリーンコープ生協ふくおかさん(以下敬称略)のご協力をいただきました。どうもありがとうございます。

博多港の状況
博多港箱崎埠頭では、2014年には130,019トンのナタネが搾油用として輸入されています。その全量と思われるナタネが、ここ箱崎埠頭で加工されており、外部への搬出は行われていないことになっています。

関連企業の周辺は、ナタネの駆除が徹底されていましたが、自社に搬入しきれないナタネを保管する同埠頭内の倉庫会社のサイロ周辺で、多くのナタネの自生を確認しました。


食と農を考える市民の会・福岡のメンバーとグリーンコープ生協ふくおか中島氏(左)
赤線の区間で、セイヨウナタネがこぼれ落ち自生している
地図中、赤丸数字の地点で、サンプルを採取し、簡易検査を行いました
輸入ナタネの荷揚げは、地図の赤丸3で行われています。赤丸0の倉庫会社まではトラックで輸送されており、赤線で示した区間でナタネがこぼれ落ち自生しています。

ナタネ荷揚げバースより

いたるところで、ナタネの群生を確認

スバル前付近
今回、セイヨウナタネの検体を7本採取。簡易検査の結果、71%が除草剤耐性GMナタネであることが判明しました。

また、雑種と見られる個体については、今回は確認できませんでした。

箱崎埠頭内には、ハタザオガラシなどのアブラナ科の雑草などの自生についても確認できませんでした。

2014年のナタネ輸入港別輸入量 (単位:t) 財務省貿易統計より
税関
長崎
神戸
大阪
名古屋
横浜
東京
 
港名
博多
神戸
宇野
水島
大阪
名古屋
清水
四日市
横浜
千葉
鹿島
東京
カナダ
122,223
484,171
3,482
96,638
 
327,942
200,016
109,811
329,090
361,790
208,198
 
2,243,361
豪州
7,796
51,271
 
10,074
5,864
17,088
22,394
5,133
40,641
  
4,753
2,820
167,834
その他
 
 
 
 
 
 
 
 
36
 
 
 
36
130,019
535,442
3,482
106,712
5,864
345,030
222,410
114,944
369,767
361,790
212,951
2,820
2,411,231

グリーンコープ生協ふくおかでは、GMナタネ自生調査を2004年から開始。現在は毎春、福岡全域で調査。2009年に抜き取り隊を結成し、春と秋の博多港・箱崎ふ頭のナタネの抜き取りを開始。2012年秋から、より多くの市民に広げていく活動とする為に「食と農を考える市民の会・福岡」との共催で、GMナタネの抜き取り活動を行っています。

2014年春には自生調査で福岡県内65箇所を調査し21箇所で陽性反応を確認しました。併せて、博多港・箱崎ふ頭の抜き取りを市民参加の中、2554本の抜取り駆除を行いました。内、検査キットによるGM検査を6検体で実施。除草剤バスタ耐性(LL)GMナタネを4検体確認しています。