●実施区間:三重県の国道23号線
四日市市『松泉町』交差点→
鈴鹿市『白塚団地入口』


鈴鹿市近鉄白子駅 新生公園
私たち遺伝子組換え食品を考える中部の会は2012/05/20、2006年11月から、通算11回目となる『遺伝子組換えナタネ抜取隊』を実施しました。今回は49名の参加をいただきました。みなさまのご協力、どうもありがとうございました。

抜取隊の実施区間
国道23号線の四日市市『松泉町』交差点より、鈴鹿市『白塚団地入口』交差点までの約21km区間で抜取りと調査をおこないました。

毎回の抜取隊での実感ですが、これだけ交通量の多い幹線道路での抜取作業には大きな危険が伴います。とくに中央分離帯にナタネの自生が集中しているため、安全を最優先した作業が望まれます。写真のような安全ベストの着用、メンバー同士が声を掛け合っての安全確認などを徹底しています。

動画情報
『もうめずらしくない』
 遺伝子組み換え交雑ナタネ
 隠れGM個体
GMナタネの輸入は1997年ころから・・・
セイヨウナタネの日本への輸入は、1971年(昭和46年)から始まっています。以来三重県でも、四日市港から松阪市までの間を約40年にわたり、セイヨウナタネのトラック輸送が続けられてきました。その結果、輸送途中のトラックの荷台からセイヨウナタネがこぼれ落ち、自生する結果となりました。この時点では、それが問題となることはありませんでした。

そんな中、1996年、カナダで遺伝子組換えナタネの商業栽培が開始され、日本へはその翌年から輸出されるようになりました。以後、GMセイヨウナタネは従来の非組み換えナタネと入れ替わるかたちで自生。今度は拡散による遺伝子汚染の脅威へと展開をはじめたのです。

わたしたち中部の会が2004年に調査を始めた当時、国道23号線はまさに菜の花畑、『ナタネ街道』といった状況だったのです。

毎回の抜取隊では、駆除活動と併せて検査キットを使用してのGM検査と、その記録の蓄積を行っています。その結果、各回の抜取隊で、新たな問題点、事実などが現出しています。

最近の抜取隊での問題点
試験紙による簡易検査で陰性でもPCR検査では陽性の結果がでる(隠れGM)個体が頻繁にある
交雑と思われる個体が頻繁に確認される。特にハタザオガラシとの雑種
交雑と思われる個体にも隠れGMが見つかる

今回の抜取隊でも14個体の雑種が確認されており、うち13がハタザオガラシとの交雑と思われるものでした。

雑種の一代目では種子鞘は付くものの、そのほとんどが不稔です。しかし、まったくというわけではなく、稀に種子を付けた個体もあります。これがハタザオガラシとさらに二度交配すると(戻し交配)、GMハタザオガラシが固定されることになります(虫媒による花粉受精も考えられる)。

場所によっては、ハタザオガラシ以外のアブラナ科雑草もあり、それらとの交雑も想定されます。

広く自生する雑草を駆除することは事実上困難です。ありえない性質を獲得した野生生物が拡散した場合に起こる負の影響を考慮する必要があります。


ハタザオガラシ

ハタザオガラシとの雑種
と思われる個体

国道23号線 鈴鹿市池田町地内


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