遺伝子組み換え食品を考える中部の会では、2011年10月2日、第10回目となる遺伝子組み換えナタネ抜取隊を行ないました。毎回の奉仕活動にもかかわらず、大阪からは生活協同組合エスコープ大阪さん7名の参加もあり、総勢50名の参加を得ることができました。みなさまのご協力に深く感謝します。
今回の抜取隊のコースは左の地図の赤線の区域。未実施の区域があるのは、あらかじめ下見をした上でナタネが多く確認された区域を優先したためです。
また、毎年11月に行なわれる大学駅伝の前に大掛かりな清掃と除草が行なわれてしまうため、それ以前の抜取隊を企画しました。その結果、実際のナタネの時期より一ヶ月ほど早期とはなったものの、セイヨウナタネの自生状況を把握することができました。
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抜取隊による駆除活動の効果
今年4月の第9回抜取隊でコースに入っていなかった寺家六〜寺家八の区間を、今回ではC班でカバーしました。その結果、その区間で160本以上のセイヨウナタネを駆除することができました。
やはり先回コースから外れていた栗真中山町と江戸橋北詰の区間(G班)でも多くのセイヨウナタネが抜取られたほか、ハタザオガラシとの交雑を思わせるものが2個体確認されました。
以上より、抜取隊による駆除活動の効果は明らかといえます。ただし、現状のままの抜取隊を永続的に続けてゆくことには大きな問題があります。市民レベルによる駆除活動には限界があり、セイヨウナタネの根絶は難しいものといわざるを得ません。
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今回のGMナタネ抜取隊
抜取られたセイヨウナタネの数は596本。うち、186本に試験紙による簡易検査を行ないました。その結果、ラウンドアップ耐性(RR)ナタネは38本(陽性率20.4%)。バスタ耐性(LL)が94本(陽性率50.5%。両陽性が1本。GMである確率は70.4%でした。雑種と見られる3本のうち1本がRR陽性、2本がLL陽性でした。
これら3本のうちハタザオガラシとの雑種と見られるものは2本。いくつかの鞘(さや)を付けてはいるものの、すべて不稔でした。種子による拡散の可能性は低いと思われますが、花粉の飛散による遺伝子汚染が懸念されます。
また中部の会の調査では、ハタザオガラシ?との交雑雑草にも隠れ陽性の例が頻繁に見つかっており、今後問題となりそうです。
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最近の傾向について
・RRとLL陽性の比率
表2は、今までの抜取隊でのラウンドアップ耐性(RR)とバスタ耐性(LL)陽性の確率の推移です。GMナタネの生産国であるカナダで主流のはずのRRナタネの検出率がLLナタネを下回っている点について理解に苦しむところです。
・隠れ陽性ナタネ
試験紙による簡易検査でGM陰性を示しても、遺伝子レベルの判定では陽性という結果が出るという例が最近になって多く認められるようになっています。
簡易検査のイムノクロマト式では、GMナタネの特定のタンパク質に抗体反応を起こした結果を試験紙に表示しますが、GM遺伝子を持ちながらそのタンパク質が発現していない場合、試験紙に表示されません。
隠れ陽性ナタネがどの程度まん延しているかを知るには、簡易検査で陰性のナタネをすべて精密な遺伝子検査にゆだねなくてはなりません。残念ながらその能力は中部の会にはありません。
・交雑雑草
中部の会の調査ですでに多くの交雑ナタネを確認しています。カブ、大根、ブロッコリー、カラシナ、在来ナタネなどの作物をはじめ、ハタザオガラシとの交雑を思わせる個体が数多く確認されています。
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GMナタネ抜取隊の今後
多くの市民の協力のおかげで10回の抜取隊を行なってきました。自然界への拡散、雑草との交雑など、新たな問題が発生している反面、自生するセイヨウナタネの数は減少しており、駆除活動の成果は明白です。しかしながら、抜取隊の活動を永続的に続けてゆくことには限界があります。どこかで収束をさせるか、大幅に回数を減らしてゆく必要があります。
市民レベルでの活動はすでに限界が見えています。行政レベルでの何らかの対策を望みます。
動画情報/motion images
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日本語
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English
今回採取されたハタザオガラシとの交雑を思わせる個体。左の小さい株がLL+、右がRR+であることを確認。
いくつかの鞘(さや)を付けてはいるものの、すべて不稔。
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名古屋からの参加者の送迎、現場での抜取隊の移動にマイクロバス(レンタル)が威力を発揮しています。
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大竹財団による助成金を得ています
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