セイヨウナタネ、新たな移送ルートを確認
知多市北浜町穀物埠頭〜国道23号線飛島村三好
名古屋港潮見埠頭
10/04/11

遺伝子組み換え食品を考える中部の会では4/11、名古屋港周辺におけるGMナタネの汚染状況確認の目的で、名古屋港潮見埠頭、知多市北浜町の穀物埠頭の調査をおこないました。その結果、新たに次のようなセイヨウナタネの移送ルートを確認しました。
知多市北浜町埠頭 日本配合飼料正門
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国道247号線(通称西知多産業道路)を北上
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県道55号線に入りさらに北上
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船見町交差点を経て国道23号線竜宮ICを四日市方面へ
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国道23号線をさらに西進
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飛島農免交差点(飛島村)
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三好交差点(飛島村)

今までの中部の会による調査経過から、おそらくこのルートは四日市まで続いているものと思われます。

なお、このルートの先は四日市港からの既存ルートと重複してしまうため、残念ながらナタネの移送先を割り出すことが困難な状況です。

北浜町穀物埠頭への案内看板

北浜町埠頭内
東海市北浜町にある穀物埠頭の中部の会による重点的な調査は06年5月以来で、なんと4年ぶり。

今回同地内を調査したきっかけは、近年、潮見埠頭内のセイヨウナタネの個体数が減少傾向なのに対し、船見町交差点以北の県道55号のそれが異常に増加していることが挙げられます。

以上より、船見町交差点以南の調査をおこなうこととなりました。

その結果、セイヨウナタネの自生はさらに西知多産業道路を南下、東海市北浜町に至ることが判明。

さらに自生はいずれも道路西側に多く確認されることから、ナタネの移送ルートは北浜町から北進し、西知多産業道路から県道55号を経て国道23号西進という状況がうかがえます。

北浜町埠頭内

国道23号/飛島村三好


知多市北浜町の穀物埠頭から四日市市西末広町までの距離は約47km。その間の交通量は激しく、また歩道の完備もままならないため、民間によるセイヨウナタネの撤去作業は危険を伴い、不可能と判断せざるをえません。

また今回判明したルートの行先が不明である点も事態の解決には困難が予想されます。

国道23号線は名古屋市を西に抜けると農業地帯へと展開しています。またこの地域は食用のナバナの栽培でも知られています。

近年、中部の会による調査でも明らかなように、アブラナ科の植物は容易に交雑します。セイヨウナタネはそれ自体、広範囲に勢力を拡大しにくい性質があるかもしれません。しかしながらいったん交雑し、それが進んでカラシナなどへ種が固定されれば、一気に拡散してしまう危険性があります。

今年秋におこなわれる生物多様性条約国際会議の開催地名古屋で、このような大掛かりなGM汚染が起こっている現実を無視することはできません。特にカルタヘナ議定書締約国会合(MOP5)では、GM汚染などによる環境被害に対する責任問題(責任と修復)が議論の焦点となります。

まさにここ名古屋港と四日市港一帯で起こっているGMナタネの環境汚染はその論点そのものではないでしょうか。

もはやこのGM汚染はわたしたち民間の力では解消することは困難であるといわざるをえません。今後、名古屋市あるいは愛知県、国など、行政に対する折衝の必要性もあるのかもしれません。

一体COP10の議長国たる立場として、このような状況をどのように解釈し、さらには対応し、対処すべきなのでしょうか。大いに問われるところです。