豊川市国道1号沿線のセイヨウナタネ自生調査
08/04/13
西古瀬川流域の在来ナタネとカラシナの群生。さらにセイヨウナタネの自生という状況から、特に西古瀬川周辺を再調査しました。

かつて豊川市では在来ナタネの栽培がさかんで、春になると一面ナタネ畑であったそうです。今では栽培されることがなくなりましたが、その名残か、多くの河川敷で野生化したたくさんの在来ナタネが確認されます。

今回の調査で在来ナタネと思しきこの株がラウンドアップ耐性GMナタネと確認(検体No.14, 20)

左の株とは別にGM検査を行った結果、セイヨウナタネと思しきこの株もRR耐性GMナタネと判明


No.02〜06はいずれも在来ナタネ。ところどころにカラシナも混じる。今回の調査での最重要点はなんといっても、在来ナタネと思われる株(No.14)にRR耐性GMを確認したことです。現時点でははっきりしたことはわかりませんが、GMセイヨウナタネとの交雑種の可能性が否めません(現在米国アイオワ州立大学に同定を依頼中)。

検査結果から、ラウンドアップ耐性(RR)である確率がバスタ耐性(LL)を大きく上回っていることがわかります。全体の40%が遺伝子組み換えであることもわかりました。

一般的に在来ナタネ(brassica rapa)とセイヨウナタネ(brassica naps)は交雑率数%と低く、仮に交雑が起こってもその種子の発芽率も低いため、自然界で拡散する恐れは少ないとされています。しかしながら、セイヨウナタネのGM遺伝子が交雑により在来ナタネに入り込み、在来ナタネと交雑を重ねた場合(戻し交配:固定品種を作る場合の交配技術でごく一般的)、GM在来ナタネとなります。その結果は雑草化ということになってしまい、根絶は難しくなってしまいます。

GMナタネが自然界にあたえる影響について、まだ何もわかっていません。今回の在来ナタネとの交雑の可能性は、大きな危惧をはらんでいるといっても過言ではありません。