名古屋港潮見埠頭周辺のセイヨウナタネ自生調査
08/02/23
今回の潮見埠頭周辺の調査は昨年5月以来9ヶ月ぶりのもの。

調査区域は名古屋港潮見埠頭先端の関連製油会社より、県道55号『船見町』を北進、国道23号『竜宮IC』までの約7kmの区間。

その結果、6個所で計10株のセイヨウナタネが確認されました。残念ながら『遺伝子組み換え食品を考える中部の会』ではGM判定用検査キットを切らしており、検体の検査は行えませんでした。

また、『全国ナタネ調査』を4月に控えているため、ナタネの自生についてはその確認と記録だけにとどめ、抜取りはしませんでした。

潮見埠頭、該当製油会社周辺では清掃強化の影響からか、セイヨウナタネの自生は確認されませんでした。

また潮見埠頭から船見町に至る道路わきでは1株が確認されたのみでした。

草刈り作業がされない放置区域ではセイヨウナタネの生育が妨げられ、その自生拡散がかえって目立たないという状況となっています。

現在県道55号線はそれに沿った高速道路の建設のための工事中で、大幅な改修もおこなわれています。そのため沿線においては、以前多くのセイヨウナタネが確認された中央分離帯の撤去、歩道などの完全再舗装化などにより、その自生個体数は大幅に減少していました。

今回の調査から:
昨年07/05/26の当地内調査の結果とはかなりの相違がみられました。とくに県道55号線に沿い、またがる形で建設中の都市高速道工事の影響で自生ナタネの数が減少する結果となっています。

潮見埠頭内該当製油会社周辺では、草刈りによる抑草が効果を挙げているものと判断されます。埠頭と県道55号線を結ぶ船見埠頭の沿道では、相変わらず除草作業はおこなわれていません。

該当製油会社の対応について:
これは非常に微妙ですが、潮見埠頭周辺でのセイヨウナタネの自生への対策は該当製油会社周辺のみに限られてしまっています。そのほかの区域については残念ながら対策はとられていないものと判断されます。

また県道55号線がその被服をほとんどはがすほどの大工事にもかかわらず、その沿線にあいかわらずセイヨウナタネの自生が確認される事実から、トラックによるナタネ輸送がおこなわれているのではないかという疑惑を拭い去ることができません。

今後の中部の会としての方向性:
当地内でのセイヨウナタネの自生の原因が明確になっていないため、今後の『抜取隊』の方向性を定められないというのが現状です。そのため、早急に該当製油会社に対する原因究明のための質問状送付をおこなうこととします。その上で、名古屋港周辺での『抜取隊』の行動範囲を決めてゆきたいと考えます。

道路建設という単なる外的要因によりセイヨウナタネの自生拡散が妨げられている状況こそあれ、現状の根本的解決の方向には残念ながら向いているとは言い難い点をここに明記しておきます。

当日の参加者:和田、山越、宇野(自治労愛知)、鈴木、岩切(あいち生協)、高橋、井上、村上(未来ネット)、河田(四日市大学)、岩月(音羽米研究会)、石川(道長)

県道55号を北進、大江川河口『開橋』北詰で。

舗装部分に吹き溜まった土に根を下ろしたセイヨウナタネ。すでにつぼみをつけている。
(クリックで拡大画像)

県道55号船見交差点より北を望む。道路と歩道はすでに改修工事を終了。

道路中央部分に立体構造の高速道を建設中。セイヨウナタネが自生していた中央分離帯はすべて撤去されている。

県道55号船見交差点北進すぐ、喫茶店サボン付近。すでに改修済みの歩道縁石と舗装のすきまから芽をだしたセイヨウナタネ
(クリックで拡大画像)


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